放射線各論の2020年度の問題
1. 頭蓋内に発生する腫瘍で拡大局所照射が適応になる疾患を1つ選べ。(2020-1, 2022-34)
- a. 胚腫
- b. 膠芽腫
- c. 髄芽腫
- d. 聴神経腫瘍
- e. 中枢神経系原発悪性リンパ腫
答. b
脳・神経系腫瘍
ユニット2 放射線腫瘍学各論
2. 転移性脳腫瘍について正しい記述を2つ選べ。(2020-2)
- a. 脳転移の診断にはMRI T2強調画像を用いる。
- b. 肺癌では遺伝子変異が予後因子の一つである。
- c. 定位照射で治療できる脳転移の数には上限がない。
- d. 認知機能低下の要因は放射線治療による有害反応のみである。
- e. 定位照射後の全脳照射で頭蓋内腫瘍制御が向上する場合がある。
答. b,e
脳・神経系腫瘍
- a. MRI T1
- c. 上限あり
ユニット2 放射線腫瘍学各論
3. 脳腫瘍の放射線治療の有害事象について正しい記述を2つ選べ。(2020-3)
- a. 治療中の嘔気は晩期有害事象である。
- b. 視交叉の最大線量は問題とならない。
- c. 定位照射後の放射線脳壊死は晩期有害事象である。
- d. 白質脳症による認知機能低下は晩期有害事象である。
- e. 全脳全脊髄照射後のIQ低下のリスクは小児より成人で高い。
答. c,d
脳・神経系腫瘍
- a. 嘔気は早期有害事象
- b. 問題となる
- e. 小児で高い
ユニット2 放射線腫瘍学各論
4. 腹部の放射線治療について正しい記述を1つ選べ。(2020-4)
- a. 小腸が含まれるX線照射野において70Gy 35分割の治療は安全にできる。
- b. 結腸癌の根治治療方法として放射線治療は選択肢として考慮するべきである。
- c. 放射線治療における腹部臓器の有害事象は治療終了後2ヶ月以内の急性期のみを考慮すれば良い。
- d. 消化器癌の出血が制御できない場合、放射線治療は選択肢として考慮すべきである。
- e. 部分的な脊髄の照射線量であれば60Gy 30分割のX線治療は許容できる。
答. d
腹部骨盤部の治療
- a. 50Gyまで
- b. 胃から大腸はまず手術
- c. 晩期障害もある
- e. 部分的に50Gyまで
ユニット2 放射線腫瘍学各論
5. 75歳の男性。検診でPSA高値を指摘され来院。PSA:30.5 ng/mL(基準4.0以下)。前立腺生検にて腺癌を認めた。Gleason score:4+4=8。画像検査にて前立腺被膜外浸潤、精嚢浸潤、リンパ節転移、遠隔転移の所見なし。根治的な治療法として適切なのはどれか。3つ選べ。(2020-5, 2021-42)
- a. 男性ホルモン抑制療法
- b. 抗癌剤療法
- c. 手術 (前立腺全摘除術)
- d. 高線量率組織内照射
- e. 放射線治療 (X線による外照射)
答. c,d,e
腹部骨盤部の治療
- a. 男性ホルモン抑制療法は放射線との併用や高齢者で行う
ユニット2 放射線腫瘍学各論
6. 子宮癌の放射線治療で正しいのはどれか。2つ選べ。(FIGO: International Federation of Gynecology and Obstetrics)(2020-6)
- a. 子宮体癌の放射線治療の成績は手術と同等である。
- b. 子宮頸癌FIGO分類 ⅣA期の放射線治療による5年生存率は20%程度である。
- c. 腔内照射は線源を子宮の癌病巣に対して一時的に留置して行う治療方法である。
- d. 子宮頸癌FIGO分類ⅡB期の治療成績は放射線治療より手術成績が優位である。
- e. 全骨盤照射の晩期有害事象で最も線量制約の根拠として考慮すべき臓器は膀胱である。
答. b,c
腹部骨盤部の治療
- a. 子宮頸癌は同等である
- d. 同等
- e. 小腸
ユニット2 放射線腫瘍学各論
7. 非小細胞肺癌の放射線治療で正しいのはどれか。3つ選べ。(2020-7)
- a. 手術適応外のⅢ期では根治的な放射線治療の適応はない。
- b. Ⅰ期病変に対する定位放射線治療の局所制御率は50%程度である。
- c. 20Gy以上照射された肺の体積(V20) は放射線肺臓炎の発生割合と相関がある。
- d. 手術適応外のⅢ期では、化学放射線治療後に免疫チェックポイント阻害薬を使用することで成績の向上が報告されている。
- e. CTV (Clinical Target Volume) に呼吸性移動など体内での位置誤差を加味した体積を ITV (Internal Target Volume) という。
答. c,d,e
頭頸部・胸部の治療
ユニット2 放射線腫瘍学各論
8. 食道癌の根治的科学放射線治療について正しいのはどれか。3つ選べ。(2020-8)
- a. 食道癌根治照射での処方線量は1日1回2Gyで20回、合計40Gyである。
- b. 胸部中部食道癌における予防照射リンパ節領域は下頸部-胸部-上腹部の3領域である。
- c. 食道癌の根治照射では放射線治療と化学療法は同時併用では行わない。
- d. 食道癌根治化学放射線療法で使用される抗がん剤の一つとして、シスプラチンがある。
- e. 食道癌の内視鏡的切除で深達度がm2で取り切れていれば、追加の放射線治療は推奨されない。
答. b,d,e
頭頸部・胸部の治療
ユニット2 放射線腫瘍学各論
9. 乳癌の術後予防放射線治療について正しいのはどれか。3つ選べ。(2020-9, 2022-39)
- a. 左乳癌では右乳癌と比べて心臓の合併症が増える。
- b. 乳癌で乳房温存手術後に全乳房照射を行うことで、局所制御率のみでなく、生存率も改善する。
- c. 手術部断端陰性であれば、腫瘍床にブースト照射を行っても局所再発率は変わらない。
- d. 手術で腋窩リンパ節転移が4個以上あった場合には鎖骨上リンパ節領域への予防照射が推奨される。
- e. 全乳房照射において、深呼吸息止めで放射線治療を行うことにより、心臓の放射線量を低減できる。
答. a,b,d
頭頸部・胸部の治療
- c. 局所再発率を半減する
- e. 左乳房照射においての方法
ユニット2 放射線腫瘍学各論
10. 頭頸部癌の放射線治療について、3D-CRT(三次元治療計画)と比較した場合のIMRT(強度変調放射線治療)の特徴について正しいのはどれか。2つ選べ。(2020-10)
- a. 全生存率が向上する。
- b. 放射線誘発癌が減少する。
- c. 治療の準備期間が延長する。
- d. 治療の精度管理が容易になる。
- e. 晩期有害事象(唾液腺障害)が軽減する。
答. c,e
脳・神経系腫瘍
- d. 精度管理には時間と労力が必要
ユニット2 放射線腫瘍学各論
11. 頭頸部癌の放射線治療における支持療法について正しいのはどれか。2つ選べ。(2020-11)
- a. 口腔ケアで顎骨壊死が減少する。
- b. 治療前の胃瘻造設で体重減少を回避できる。
- c. 対症的介入により合併症の発生頻度が低下する。
- d. 口腔粘膜炎の疼痛管理は非オピオイド主体で行う。
- e. 放射線皮膚炎の対応として、洗浄と保湿のみでも効果は期待できる。
答. a,e
脳・神経系腫瘍
- b. 回避できない
- c. 対症的介入は重症度の低減
- d. オピオイド主体
ユニット2 放射線腫瘍学各論
12. 甲状腺癌に対するヨード(I-131)放射線療法の適応となるものはどれか。2つ選べ。(2020-12)
- a. 乳頭癌
- b. 濾胞癌
- c. 悪性リンパ腫
- d. 髄様癌
- e. 未分化癌
答. a,b
ユニット4 核医学
13. 60歳代男性。3日前から発熱と咳嗽があり受診した。胸部X線写真を下に示す。異常が見られる肺葉を1つ選べ。(2020-13)
- a. 右上葉
- b. 右中葉
- c. 右下葉
- d. 左上葉
- e. 左下葉
答. b
胸部の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
14. 画像左から①~⑤は5名の肺癌患者の原発巣の高分解能CT画像である。扁平上皮癌の可能性が最も高いものを1つ選べ。(2020-14)
- a. ①
- b. ②
- c. ③
- d. ④
- e. ⑤
答. e
胸部の画像診断 扁平上皮癌は充実性結節ですりガラス成分がない
ユニット1 画像診断学各論
15. 60歳代男性。2週間前から発熱が持続するため受診した。胸部単純X線写真と胸部造影CT(大動脈弓レベル、肺動脈分岐レベル)を別に示す。正しいものを3つ選べ。(2020-15)
- a. 胸水がみられる。
- b. 腫瘍の内部に空洞がみられる。
- c. 上大静脈は腫瘍に囲まれている。
- d. 前縦隔を主座とする腫瘍である。
- e. 悪性リンパ腫を疑う必要がある。
答. a,c,e
胸部の画像診断 中縦隔腫瘍
ユニット1 画像診断学各論
16. 70歳代男性。2~3年前から続く労作時呼吸困難を主訴に受診した。胸部単純X線写真と右肺の高分解能CTを別に示す。正しいものを2つ選べ。(2020-16)
- a. 蜂巣肺がみられる
- b. 肺胞性陰影の典型像である。
- c. 横隔膜の平低化がみられる。
- d. 小葉中心性分布を呈している。
- e. 肺癌の合併に注意が必要である。
答. a,e
胸部の画像診断
- b. 間質性陰影
- d. 小葉辺縁性
ユニット1 画像診断学各論
17. ヨード造影剤による造影剤腎症予防に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。(2020-17)
- a. 検査後に血液透析を行う。
- b. ループ利尿薬を使用している場合、中止を考慮する。
- c. 検査前後長時間(原則的に24時間ずつ)の輸液を行う。
- d. 使用前は禁食にする。
- e. 問診を行えば、検査前の血液検査は必要ない。
答. b,c
放射線科のリスクマネジメント
- c. 唯一エビデンスのある予防法
ユニット5 リスクマネジメント
18. 造影剤に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。(2020-18)
- a. 二酸化炭素は陽性造影剤である。
- b. 造影剤腎症予防目的で輸液する場合、0.9%生理食塩水を使用する。
- c. 脱水、重症心不全、糖尿病、低タンパク血症は、ヨード造影剤腎症の危険因子である。
- d. ヨード造影剤使用歴のある患者でかつ副作用歴がない場合、次回のヨード造影剤使用も安全と考えてよい。
- e. 喘息患者への使用は禁忌である。
答. b,c
放射線科のリスクマネジメント
- a. 陰性造影剤
- d. 毎回確認を行う
ユニット5 リスクマネジメント
19. ヨード造影剤副作用、アナフィラキシーに関する記述のうち正しいものを全て選べ。(2020-19)
- a. 静注薬剤のうち、アナフィラキシーを起こす頻度が高いものは、ヨード造影剤、筋弛緩剤、抗生剤、の3つである。
- b. アナフィラキシーと診断したら、成人ではアドレナリン0.3mgを静注する。
- c. アナフィラキシーの症状は、皮膚・粘膜症状、呼吸器症状、循環器症状、消化器症状に分類される。
- d. 即時型副作用だけでなく遅延型副作用にも留意する。
答. a,c,d
放射線科のリスクマネジメント
- b. 0.01mg/kg(最大値0.5mg)で筋肉注射
ユニット5 リスクマネジメント
20. 心筋シンチグラフィに関する記述のうち、正しいものを全て選べ。(2020-20)
- a. 201Tlは能動的に心筋細胞に摂取される。
- b. 99mTc-PYPは心筋虚血部位に集積する。
- c. 201Tlは心筋虚血部位に再分布する。
- d. 201Tlは心筋梗塞部位に集積しない。
答. a,c,d
核医学
- b. 心筋虚血部位には集積しない
ユニット4 核医学
21. MRI検査に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。(2020-21)
- a. 喘息は禁忌である。
- b. 高度腎機能障害例に対するガドリニウム造影剤の副作用として、腎性全身性線維症がある
- c. 眼内に金属のある患者は禁忌である。
- d. 高度腎機能低下症例では、CT造影検査の代替としてMRI造影検査を行う。
- e. ガドリニウム造影剤に対する副作用歴のない患者では、その後の使用でもガドリニウム造影剤に対するアナフィラキシー反応は生じない。
答. b,c
放射線科のリスクマネジメント
- d. 腎機能低下ではMRI造影禁忌
- e. 毎回確認をする
ユニット5 リスクマネジメント
22. 心筋シンチグラフィに関する記述のうち、正しいものを全て選べ。(2020-22)
- a. 心筋viabilityの検出にFDG-PETが有効である。
- b. 99mTcのエネルギーは70~80KeVである。
- c. 123I-MIBGはuptake1の働きにより血中から神経末端に取り込まれる。
- d. 正常心筋は好気的条件下において、脂肪酸代謝に60%を依存している。
答. a,c,d
核医学
- b. 約140KeV
ユニット4 核医学
23. 電離放射線に関する記述のうち、正しいものを全て選べ。(2020-23)
- a. 放射線防護の原則は、正当化・最適化・線量限度である。
- b. 人口1万人当たりのCT装置数は、日本は最も多い。
- c. 確率的影響を求めるためのデータの一つは、Hiroshima modelである。
- d. 成人に比べ小児は電離放射線に対する感受性が高い。
答. a,b,c,d
放射線科のリスクマネジメント
ユニット5 リスクマネジメント
24. 以下の選択肢の中から正しいものを2つ選べ。(2020-24, 2021-15)
- a. 急激な増大スピードは大動脈瘤の切迫破裂を疑わせる所見である。
- b. 大動脈解離を疑った場合、単純CTの撮影は必要ない。
- c. 冠動脈CTではプラーク性状の評価はできない。
- d. 心臓CTでは弁の動きの評価はできない。
- e. 肺塞栓を評価する際に、下肢深部静脈血栓も一連の造影CT検査で評価できる。
答. a,e
心・大血管の画像診断
- b. どちらもあわせて評価する
- c. プラークも評価できる
ユニット1 画像診断学各論
25. 血管撮影やInterventional radiology(IVR)に関連した以下の記述で正しいものを2つ選べ。(2020-25, 2021-25)
- a. 血管撮影ではX線被曝は発生しない。
- b. 血管撮影ではセルジンガー法で血管にシースを入れる。
- c. セルジンガー法では動脈に穿刺し、血液の逆流を確認した後、次にシースを入れる。
- d. 血管造影ではガドリニウム造影剤を使用する。
- e. 血管造影を行うことで、血流の評価を行うことができる。
答. b,e
- c. 血流を確認したあとはガイドワイヤを差し込む
- d. ヨード
ユニット3 画像下治療(IVR)
26. 疾患と適応となるInterventional radiology(IVR)の組み合わせで誤っているものはどれか。1つ選べ。(2020-26, 2021-26, 2022-26)
- a. 肝細胞癌:動注化学塞栓療法
- b. 閉塞性動脈硬化症:ステント留置術
- c. 腸腰筋膿瘍:膿瘍ドレナージ
- d. 喀血:経皮的血管塞栓術
- e. 腎動脈瘤:ステントグラフト内挿術
答. e
- e. コイル塞栓術
ユニット3 画像下治療(IVR)
27. 30歳代女性。不正出血のため近医産婦人科受診。経膣エコーで骨盤内に腫瘤性病変が疑われた。骨盤部MRIの撮影依頼で、大学病院に紹介受診。骨盤部MRI検査に関して正しいものはどれか。1つ選べ。(2020-27)
- a. 骨盤部MRIではヨード造影剤を使用する。
- b. 嚢胞性卵巣病変に充実部を認めれば、良性と考える。
- c. 卵巣奇形腫と内膜症性嚢胞の鑑別には、脂肪抑制T1強調画像が有用である。
- d. 子宮腫大病変において、境界不明瞭なjunctional zoneの肥厚は子宮筋腫などを疑う所見である。
- e. 子宮平滑筋肉腫は周囲への浸潤・内部への強い変性・内部出血などで疑うが、変性筋腫との鑑別は容易である。
答. c
乳腺・骨盤臓器の画像診断
- a. ガドリニウム製剤
- b. 悪性
- d. 子宮腺筋症
- e. 難しい
ユニット1 画像診断学各論
28. 50歳代女性。検診マンモグラフィーで異常を指摘され来院。乳房超音波検査で腫瘤を認め、生検の結果、浸潤性乳管癌の診断が得られ、乳腺MRI検査がオーダーされた。乳腺MRI検査に関して正しいものはどれか。3つ選べ。(2020-28)
- a. MRIでは浸潤癌と非浸潤癌は区別できない。
- b. 造影検査でなければ十分な情報は得られない。
- c. 腎機能不良で透析中の患者でも、必要であれば、造影剤を使用してよい。
- d. MRI検査室に入室するときには、コンタクトレンズやマスカラの除去が望ましい。
- e. 背景乳腺の造影効果(BPE:background parenchymal enhancement)は、月経周期に依存し変化する。
答. b,d,e
乳腺・骨盤臓器の画像診断
- c. 腎性全身性線維症は非常に予後不良な副作用
ユニット1 画像診断学各論
29. 乳腺画像診断に関する記載で、誤っているものはどれか。1つ選べ。(2020-29)
- a. 乳房MRIは、術式決定に有用である。
- b. 乳腺超音波検査は、腫瘤性病変の描出に優れている。
- c. マンモグラフィー検査は、石灰化病変の描出に優れている。
- d. 乳房MRIではダイナミックスタディの血流パターンで良悪性の鑑別が可能である。
- e. 超音波検査、MRIが施行されている場合、マンモグラフィー検査は省略可能である。
答. e
乳腺・骨盤臓器の画像診断
- e. 3つの検査が補い合っているので省略できない
ユニット1 画像診断学各論
30. 核医学検査に関して正しいものを3つ選べ。(2020-30)
- a. 123 I-IMPは99mTc製剤より脳血流との直線性が高い。
- b. 図1の症例では左冠動脈前下行枝領域の虚血が疑われる。
- c. 図2の症例はサルコイドーシスを疑う。
- d. ガリウムシンチグラフィは早期癌の検出に優れた検査である。
- e. 一般に溶骨性転移は骨シンチグラフィでの集積が高く、検出能が高い。
答. b,d,e
核医学
- b. 右冠動脈領域
- d. 早期癌の検出率は著しく低い
- e. 溶骨性転移は集積が低くて検出能が低い
ユニット4 核医学
31. 18F FDG-PET検査に関する記述で、誤っているものを3つ選べ。(2020-31)
- a. ガリウムシンチグラフィより感度、空間分解能ともに高い。
- b. 肺癌の病期診断に用いることが推奨されている。
- c. 高分化肝細胞癌では集積が低いことがある。
- d. リンパ腫では強いFDG集積が強いため、治療前のFDG-PET検査の有用性は低い。
- e. 心臓サルコイドーシスの活動性評価のため6時間の絶食で検査を行った。
答. a,b,c
- d. 治療効果判定可能
- e. 最低12時間以上
ユニット4 核医学
32. 保険収載されている悪性リンパ腫に対する内用療法の核種を1つ選べ。(2020-32)
- a. 131I
- b. 90Y
- c. 223Ra
- d. 131I-MIBG
- e. 177Lu
答. b
ユニット4 核医学
33. 脳腫瘍内の小出血を評価したい場合、追加する撮像法として最も適切なものを以下の選択肢の中から1つ選べ。(2020-33)
- a. FLAIR
- b. 拡散強調画像
- c. T2スター強調画像
- d. 造影T1強調画像
- e. MR angiography
答. c
中枢神経の画像診断
- c. 出血が顕著な低信号になる
ユニット1 画像診断学各論
34. 意識障害の患者が搬送されてきた。患者背景は不明で、本人からの聴取もできない。頭蓋内の病変検索として、以下の選択肢の中で最初に行う検査として最も適切なものを1つ選べ。(2020-34)
- a. 頭部MRI
- b. 頭部CT
- c. PET-CT
- d. 脳血流シンチグラフィ
- e. 血管造影
答. b
中枢神経の画像診断
- b. 危険性がMRIに比べて低く、脳出血かどうかよくわかるから
ユニット1 画像診断学各論
35. 下図は肝のダイナミック造影CTで、左から単純(造影前)、動脈優位相、平衡相を示す。 右葉の腫瘍について誤っている記述はどれか。1つ選べ。(2020-35)
- a. 腫瘍は後区域に存在する。
- b. 肝腫瘍の中では最も頻度が高い。
- c. 平衡相ではwash outを呈している。
- d. 超音波で内部高エコーを呈することが多い。
- e. T2強調画像では強い高信号を呈することが多い。
答. c
肝腫瘍の画像診断 肝血管腫
- c. 古典的肝細胞癌の所見
ユニット1 画像診断学各論
36. 70歳男性。腹痛の精査目的で実施した単純CTと造影CTを下に示す。このCTで認める肝腫瘤に関する記載で、誤っているものを1つ選べ。(2020-36)
- a. 肝嚢胞を疑う像ではない。
- b. 腫瘤は肝左葉に位置している。
- c. 肝内胆管の拡張を伴っている。
- d. 単純CTでの腫瘤の境界は不明瞭である。
- e. 造影後は腫瘤周囲の肝実質が濃染している。
答. a
肝腫瘍の画像診断 肝膿瘍
ユニット1 画像診断学各論
37. 次の肝腫瘤のうち、リング状の造影効果を呈するものを3つ選べ。(2020-37)
- a. 肝膿瘍
- b. 肝血管腫
- c. 胆管細胞癌
- d. 転移性肝腫瘍
- e. 高分化肝細胞癌
答. a,c,d
肝腫瘍の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
38. 脊椎椎間板炎に関して誤っているものを2つ選べ。(2018-24, 2019-24, 2020-38)
- a. 細菌性では黄色ブドウ球菌が起因菌の最多である。
- b. 小児よりも高齢者に好発する。
- c. 椎間板のMRI所見としてdark diskが特徴である。
- d. 検出には脂肪抑制T1強調画像が有用である。
- e. 結核に伴う膿瘍は感染徴候に欠しく、冷膿瘍(cold abscess) と呼ばれる。
答. c,d
脊椎の画像診断
- c. hot diskが特徴 dark diskは脊椎症の椎間板所見
- d. 脂肪抑制T2強調
ユニット1 画像診断学各論
39. 下図は頸椎CTの矢状断像である。図中矢印は第何頸椎か。A~Eの中から1つ選べ。(2020-39)
- a. 第1頸椎
- b. 第2頸椎
- c. 第3頸椎
- d. 第4頸椎
- e. 第5頸椎
答. d
脊椎の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
40. 75歳男性。腰痛の精査目的で撮影した腰椎CT矢状断像を下に示す。最も疑われる疾患を1つ選べ。(2020-40, 2021-21)
- a. 血管腫
- b. 圧迫骨折
- c. 腰椎分離症
- d. 腰椎すべり症
- e. 後縦靭帯骨化症
答. c
脊椎の画像診断
ユニット1 画像診断学各論