放射線各論の2021年度の問題
1. 急性期脳梗塞の画像所見に見られるearly CT signsで、誤っているものはどれか。1つ選べ。(2021-1, 2022-1)
- a. 皮髄境界の不明瞭化
- b. 島皮質の不明瞭化
- c. 脳溝の不明瞭化
- d. 脳室の不明瞭化
- e. 深部灰白質の不明瞭化
答. d
中枢神経の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
2. 次に示す頭蓋内腫瘍で脳実質外腫瘍を2つ選べ。(2021-2)
- a. 髄膜腫
- b. 膠芽腫
- c. びまん状星細胞腫
- d. 乏突起膠腫
- e. 類表皮嚢胞
答. a,e
脳・神経系腫瘍
ユニット2 放射線腫瘍学各論
3. MRIよりCTの方が評価に適しているのはどれか。1つ選べ。(2021-3)
- a. 微小出血
- b. 石灰化
- c. 急性期脳梗塞
- d. 脳炎
- e. 脱髄
答. b
中枢神経の画像診断
- b. CTが有用なのは石灰化、急性期出血、骨病変、骨内病変
ユニット1 画像診断学各論
4. 健常成人胸部立位X線写真で見えるのはどれか。1つ選べ。(2021-4)
- a. 脊髄
- b. 心室中隔
- c. 気管分枝部
- d. 食道
- e. 下行大動脈右縁
答. c
胸部の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
5. 70歳代男性。2~3年前から続く労作時呼吸困難を主訴に受診した。胸部単純X線写真と右肺の高分解能CTを別に示す。正しいものを2つ選べ。(2021-5)
- a. 胸水がみられる。
- b. 蜂巣肺である。
- c. 横隔膜の平坦化がみられる。
- d. 小葉中心性分布を呈している。
- e. 高分化CTは右上葉の画像である。
答. a,b
胸部の画像診断
- d. 小葉辺縁性
ユニット1 画像診断学各論
6. 次の画像左から①~⑤は肺感染症の高分解能CT である。ニューモシスチス肺炎はどれか。(2021-6, 2022-6)
- a. ①
- b. ②
- c. ③
- d. ④
- e. ⑤
答. b
胸部の画像診断 すりガラス陰影
ユニット1 画像診断学各論
7. 1週間続く血痰を主訴に受診した患者のX 線写真を以下に示す。喫煙歴は20本×40年である。無気肺は肺のどこの区画で見られるか。(2021-7, 2022-7)
- a. 右上葉
- b. 右中葉
- c. 右下葉
- d. 左上葉
- e. 左下葉
答. a
胸部の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
8. 画像左から①~⑤は5名の肺癌患者の原発巣の高分解能CT画像である。腺癌の可能性が最も高いものを1つ選べ。(2021-8)
- a. ①
- b. ②
- c. ③
- d. ④
- e. ⑤
答. e
胸部の画像診断 肺癌はすりガラス成分を持つことが多い
ユニット1 画像診断学各論
9. 60歳男性。ある疾患の精査中偶然縦隔腫瘤を発見した。腹部造影CTの画像より、何であると考えられるか。(2021-9, 2022-9)
- a. 胸腺腫
- b. 食道癌
- c. 大動脈瘤
- d. 奇形腫
- e. 神経原性腫瘍
答. a
胸部の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
10. 下図は肝のダイナミック造影CTで、左から単純(造影前)、動脈優位相、平衡相を示す。 右葉の腫瘍について誤っている記述はどれか。2つ選べ。(2021-10)
- a. 腫瘍は後区域に存在する。
- b. 肝腫瘍の中では最も頻度が高い。
- c. T2強調画像では低信号を呈することが多い。
- d. 超音波で内部高エコーを呈することが多い。
- e. 平衡相ではwash outを呈している。
答. c,e
肝腫瘍の画像診断 肝血管腫
- e. 古典的肝細胞癌の所見
ユニット1 画像診断学各論
11. 70歳男性。腹痛の精査目的で実施した単純CTと造影CTを下に示す。このCTで認める肝腫瘤に関する記載で、誤っているものを1つ選べ。(2021-11)
- a. 肝腫瘍に明らかな造影効果は認められない。
- b. 腫瘤は肝左葉に位置している。
- c. 肝内胆管の拡張を伴っている。
- d. 単純CTでの腫瘤の境界は不明瞭である。
- e. 造影後は腫瘤周囲の肝実質が濃染している。
答. a
肝腫瘍の画像診断 肝膿瘍
ユニット1 画像診断学各論
12. 次の肝腫瘍のうち、Gd-EOB-DTPAを取り込むものを1つ選べ。(2021-12)
- a. 肝膿瘍
- b. 肝血管腫
- c. 胆管細胞癌
- d. 転移性肝腫瘍
- e. 肝細胞癌の前癌病変
答. e
肝腫瘍の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
13. 80 歳代男性、1週間前より前胸部絞扼感が出現、徐々に増悪したため来院した。冠動脈CTAの画像を以下に示す。正しいものを2つ選べ。(2021-13, 2022-13)
- a. 右冠動脈に狭窄が見られる。
- b. 左冠動脈前下行枝に狭窄が見られる。
- c. 左冠動脈回旋枝に狭窄が見られる。
- d. 狭窄部位に見られるプラークは石灰化プラークである。
- e. 狭窄部位に見られるプラークは非石灰化プラークである
答. b,e
心・大血管の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
14. 70歳代、女性、長期臥床の患者。呼吸苦を訴え、D-ダイマーが検出されたため、造影CTが施行された。以下の画像を見て、適切なものを2つ選べ。(2021-14, 2022-14)
- a. 両側の肺動脈に血栓を認める。
- b. 右房内に血栓を認める。
- c. 心室中隔の平坦化を認める。
- d. IVCの拡張を認める。
- e. 左腸骨静脈内に血栓を認める。
答. c,d
心・大血管の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
15. 以下の選択肢の中から正しいものを2つ選べ。(2020-24, 2021-15)
- a. 急激な増大スピードは大動脈瘤の切迫破裂を疑わせる所見である。
- b. 大動脈解離を疑った場合、単純CTの撮影は必要ない。
- c. 冠動脈CTではプラーク性状の評価はできない。
- d. 心臓CTでは弁の動きの評価はできない。
- e. 肺塞栓を評価する際に、下肢深部静脈血栓も一連の造影CT検査で評価できる。
答. a,e
心・大血管の画像診断
- b. どちらもあわせて評価する
- c. プラークも評価できる
ユニット1 画像診断学各論
16. 外傷患者の診断を確定するために単純CTに追加して造影CTを行うことが最も有効なのはどれか。1つ選べ。(2021-16)
- a. 脳挫傷
- b. 肺挫傷
- c. 気胸
- d. 肋骨骨折
- e. 脾損傷
答. e
外傷の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
17. 外傷の初期診療として迅速簡易超音波検査法(FAST)で確認する必要があるのはどれか。1つ選べ。(2021-17)
- a. 骨折
- b. 気胸
- c. 大動脈径
- d. 臓器損傷
- e. 腹腔内出血
答. e
外傷の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
18. 32歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。本日、オートバイ運転中に併走する乗用車と接触して転倒した。意識は清明で、四肢の擦過傷と右膝関節の打撲以外に大きな外傷はなかった。3時間後、心窩部痛を自覚。徐々に増悪するため、妻に付き添われて受診した。
意識清明、体温37.2度、脈拍104回/分・整、血圧96/58mmHg、呼吸数16回/分、SpO2 97%(room air)眼瞼結膜はやや貧血様だが異常なし。呼吸音・心音正常。腹部は軽度膨隆し、腸雑音の亢進を認める。心窩部から右季肋下にかけて圧痛を認める。神経診察で異常なし。
<血液所見>赤血球327万/µL、Hb 10.6g/dL、Ht 34%、白血球11280/µL、血小板16万/µL
<血液生化学所見>総タンパク6.8g/dL、アルブミン3.7g/dL、総-Bil 0.9mg/dL、AST 142IU/L、ALT 78IU/L、LD 358IU/L、γ-GT 57IU/L、アミラーゼ154IU/L、BUN 18mg/dL、Cr 0.8mg/dL、血糖97mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 100mEq/L、CRP 1.0mg/dL
まず行うべき検査を1つ選べ。(2021-18, 2022-18)
意識清明、体温37.2度、脈拍104回/分・整、血圧96/58mmHg、呼吸数16回/分、SpO2 97%(room air)眼瞼結膜はやや貧血様だが異常なし。呼吸音・心音正常。腹部は軽度膨隆し、腸雑音の亢進を認める。心窩部から右季肋下にかけて圧痛を認める。神経診察で異常なし。
<血液所見>赤血球327万/µL、Hb 10.6g/dL、Ht 34%、白血球11280/µL、血小板16万/µL
<血液生化学所見>総タンパク6.8g/dL、アルブミン3.7g/dL、総-Bil 0.9mg/dL、AST 142IU/L、ALT 78IU/L、LD 358IU/L、γ-GT 57IU/L、アミラーゼ154IU/L、BUN 18mg/dL、Cr 0.8mg/dL、血糖97mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.3mEq/L、Cl 100mEq/L、CRP 1.0mg/dL
まず行うべき検査を1つ選べ。(2021-18, 2022-18)
- a. 腹部単純X線
- b. 上部消化管内視鏡
- c. 腹部超音波検査
- d. 腹部造影CT
- e. 頭部MRI
答. a
外傷の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
19. 脊椎椎間板炎に関して誤っているものを1つ選べ。(2021-19, 2022-19)
- a. 小児より高齢者に好発する。
- b. 検出には脂肪抑制T2 強調画像が有用である。
- c. 細菌性では黄色ブドウ球菌が起因菌の最多である。
- d. 椎間板のMRI 所見としてhot disk が特徴である。
- e. 細菌感染に伴う膿瘍は感染徴候に乏しく、冷膿瘍 (cold abscess) と呼ばれる。
答. e
脊椎の画像診断
- e. 結核に伴う膿瘍
ユニット1 画像診断学各論
20. 下図は頸椎CTの矢状断像である。図中矢印は第何頸椎か。A~Eの中から1つ選べ。(2019-25, 2021-20)
- a. 第1頸椎
- b. 第2頸椎
- c. 第3頸椎
- d. 第4頸椎
- e. 第5頸椎
答. b
脊椎の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
21. 75歳男性。腰痛の精査目的で撮影した腰椎CT矢状断像を下に示す。最も疑われる疾患を1つ選べ。(2020-40, 2021-21)
- a. 血管腫
- b. 圧迫骨折
- c. 腰椎分離症
- d. 腰椎すべり症
- e. 後縦靭帯骨化症
答. c
脊椎の画像診断
ユニット1 画像診断学各論
22. 核医学検査に関する記述のうち、誤っているものを1つ選べ。(2021-22)
- a. 123I-IMPは99mTc製剤より脳血流との直線性が高い。
- b. 図1の症例では左冠動脈前下行枝領域の虚血が疑われる。
- c. 図2の症例はサルコイドーシスを疑う。
- d. ガリウムシンチグラフィは早期癌の検出には向かない。
- e. 一般に造骨性転移は骨シンチグラフィでの集積が高く、検出能が高い。
答. b
核医学
- b. 右冠動脈領域
ユニット4 核医学
23. 18F FDG-PET検査に関する記述のうち正しいものを1つ選べ。(2021-23)
- a. 肺癌の良性悪性の鑑別に用いることが推奨される。
- b. ガリウムシンチグラフィに感度、空間分解能が劣る。
- c. 印環細胞癌では集積が弱いことがある。
- d. リンパ腫では強いFDG集積が見られるため、治療前にFDG-PET検査を行う必要はない。
- e. 心臓サルコイドーシスの活動性評価のため絶食を行わずに検査を行った。
答. c
核医学
- a. 良悪性の鑑別には使用不可
- b. どちらも高い
- d. 治療効果の判定可能
- e. 最低12時間以上
ユニット4 核医学
24. 保険収載されている前立腺癌の内用療法の適応のある核種を1つ選べ。(2021-24)
- a. 131I
- b. 90Y
- c. 223Ra
- d. 131I-MIBG
- e. 177Lu
答. c
ユニット4 核医学
25. 血管撮影やInterventional radiology(IVR)に関連した以下の記述で正しいものを2つ選べ。(2020-25, 2021-25)
- a. 血管撮影ではX線被曝は発生しない。
- b. 血管撮影ではセルジンガー法で血管にシースを入れる。
- c. セルジンガー法では動脈に穿刺し、血液の逆流を確認した後、次にシースを入れる。
- d. 血管造影ではガドリニウム造影剤を使用する。
- e. 血管造影を行うことで、血流の評価を行うことができる。
答. b,e
- c. 血流を確認したあとはガイドワイヤを差し込む
- d. ヨード
ユニット3 画像下治療(IVR)
26. 疾患と適応となるInterventional radiology(IVR)の組み合わせで誤っているものはどれか。1つ選べ。(2020-26, 2021-26, 2022-26)
- a. 肝細胞癌:動注化学塞栓療法
- b. 閉塞性動脈硬化症:ステント留置術
- c. 腸腰筋膿瘍:膿瘍ドレナージ
- d. 喀血:経皮的血管塞栓術
- e. 腎動脈瘤:ステントグラフト内挿術
答. e
- e. コイル塞栓術
ユニット3 画像下治療(IVR)
27. 血管塞栓術について誤っているものはどれか。1つ選べ。(2021-27)
- a. 外傷(実質臓器損傷や骨盤骨折)に対して適応がある。
- b. 腹部動脈瘤に対して適応がある。
- c. packingでは遠位と近位をコイルで塞栓するため、臓器虚血や梗塞のリスクがある。
- d. コイルは永久塞栓物質である。
- e. ゼラチンスポンジは一時塞栓物質である。
答. c
- c. isolationの説明
ユニット3 画像下治療(IVR)
28. 30歳代女性。不正出血のため近医産婦人科受診。経腟エコーで骨盤内に腫瘤性病変が疑われた。骨盤部MRI の撮影依頼で、大学病院に紹介受診。骨盤部MRI 検査に関して正しいものはどれか。3つ選べ。(2021-28, 2022-28)
- a. 骨盤部MRI ではヨード造影剤を使用する。
- b. 嚢胞性卵巣病変に充実部を認めれば、悪性と考える。
- c. 卵巣奇形腫と内膜症性嚢胞の鑑別には、脂肪抑制T1 強調画像が有用である。
- d. 子宮腫大病変において、境界不明瞭なjunctional zone の肥厚は子宮腺筋症を疑う所見である。
- e. 子宮平滑筋肉腫は周囲への浸潤・内部への強い変性・内部出血などで疑うが、変性筋腫との鑑別は容易である。
答. b,c,d
乳腺・骨盤臓器の画像診断
- a. ガドリニウム製剤
- e. 変性筋腫と肉腫の鑑別は難しい
ユニット1 画像診断学各論
29. 50歳代女性。検診マンモグラフィーで異常を指摘され来院。乳腺超音波検査で腫瘤を認め、生検の結果、浸潤性乳管癌の診断が得られ、乳腺MRI検査がオーダーされた。乳腺MRI検査に関して正しいものはどれか。3つ選べ。(2021-29)
- a. MRIでは浸潤癌と非浸潤癌は区別できない。
- b. 乳腺MRI検査で造影された病変部が、乳癌病変と診断できる。
- c. 腎機能不良で透析中の患者でも、必要であれば造影剤を使用してよい。
- d. MRI検査室に入室するときには、コンタクトレンズやマスカラの除去が望ましい。
- e. 背景乳腺の造影効果(BPE:background parenchymal enhancement)は月経周期に依存し変化する。
答. b,d,e
乳腺・骨盤臓器の画像診断
- c. 腎性全身性線維症は非常に予後不良な副作用
ユニット1 画像診断学各論
30. 乳腺画像診断に関する記載で、正しいものはどれか。3つ選べ。(2021-30, 2022-30)
- a. 乳房MRIは、石灰化病変の描出に優れている。
- b. 乳腺超音波検査は、腫瘤性病変の描出に優れている。
- c. マンモグラフィー検査の精度は、背景乳腺の造影効果による影響を受ける。
- d. 乳房MRIではダイナミックスタディの血流パターンで良悪性の鑑別が可能である。
- e. 超音波検査、MRIが施行されている場合、マンモグラフィー検査は省略可能である。
答. b,c,d
乳腺・骨盤臓器の画像診断
- a. 石灰化はマンモグラフィーが描出に優れている
- e. 3つの検査が補い合っているので省略できない
ユニット1 画像診断学各論
31. 放射線が人体に与える影響のうち、確率的影響を1つ選べ。(2021-31)
- a. 発癌
- b. 白内障
- c. 皮膚炎
- d. 白血球減少
- e. 不妊
答. a
放射線科のリスクマネジメント
ユニット5 リスクマネジメント
32. 放射線のリスクマネジメントについて、正しいものを2つ選べ。(2021-32)
- a. 医療被曝の線量限度は100mSv/5年である。
- b. 被曝による発癌のリスクは成人より小児の方が高い。
- c. 確率的影響の発生頻度-線量のグラフはS字になる。
- d. γ線は薄い金属板で遮蔽できる。
- e. Svは生体の被曝による生物学的影響を表す。
答. b,e
放射線科のリスクマネジメント
- a. 線量限度なし
- c. 確率的影響は直線
- d. 鉛や鉄
ユニット5 リスクマネジメント
33. MRI検査に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。(2021-33)
- a. 喘息は禁忌である。
- b. 造影剤の遅延型副作用は、24時間までの観察が必要である。
- c. 静磁場による力学作用では、磁性体の質量が大きいほど強く引き寄せられる。
- d. アナフィラキシーを起こす3大静注薬剤はヨード造影剤、筋弛緩剤、抗生剤である。
- e. ガドリニウム造影剤に対する副作用歴のない患者では、その後の使用でもガドリニウム造影剤に対するアナフィラキシー反応は生じない。
答. c,d
放射線科のリスクマネジメント
- b. 48時間まで
- e. 毎回確認をする
ユニット5 リスクマネジメント
34. 頭蓋内に発生する腫瘍で全脳室照射が適応になる疾患を1つ選べ。(2021-34)
- a. 胚腫
- b. 膠芽腫
- c. 髄芽腫
- d. 聴神経鞘腫
- e. 中枢神経系原発悪性リンパ腫
答. a
脳・神経系腫瘍
ユニット2 放射線腫瘍学各論
35. 脳腫瘍と放射線照射における有害事象について正しいものを2つ選べ。(2021-35)
- a. 小児の全脳全脊髄照射後の成長障害は早期有害事象である。
- b. 全脳全脊髄照射後の二次発癌のリスクは成人よりも小児で高い。
- c. 白質脳症による認知機能低下は晩期有害事象である。
- d. 視神経の最大線量は問題にならない。
- e. 定位照射後の放射線脳壊死は早期有害事象である。
答. b,c
脳・神経系腫瘍
- a. 晩期有害事象
- e. 晩期有害事象
ユニット2 放射線腫瘍学各論
36. 頭頸部の放射線治療において、正しいものを2つ選べ。(2021-36)
- a. 中咽頭癌で、HPV関連癌は非関連癌より予後が悪い。
- b. 咽頭癌への照射は局所のみで十分である。
- c. 口腔粘膜炎の疼痛管理は非オピオイド主体で行う。
- d. 強度変調放射線治療(IMRT)は耳下腺の線量低減に有効である。
- e. 放射線皮膚炎の対応として、洗浄と保湿のみでも効果は期待できる。
答. d,e
脳・神経系腫瘍
- a. HPV関連癌は予後良好
- b. 全頸部照射が中心
- c. オピオイド主体
ユニット2 放射線腫瘍学各論
37. 非小細胞癌の放射線治療について正しいのはどれか。3つ選べ。(2021-37)
- a. 骨転移や脳転移に対し、緩和目的の放射線治療を行うことがある。
- b. 手術適応外のⅢ期では、化学放射線治療後に免疫チェックポイント阻害薬を使用することで成績の向上が期待されている。
- c. Ⅰ期病変に対する定位放射線治療の局所制御率は30%である。
- d. 20Gy 以上照射された肺の体積(V20)は放射線肺臓炎の発生割合と相関がある。
- e. CTV(Clinical Target Volume)に呼吸性移動など体内での位置誤差を加味した体積をGTV(Gross Target Volume)という。
答. a,b,d
頭頸部・胸部の治療
- c. 80%
ユニット2 放射線腫瘍学各論
38. 食道癌の根治的化学放射線治療について正しいものはどれか。2つ選べ。(2021-38)
- a. 胸部中部食道癌における予防照射リンパ節領域は下頸部―胸部―上腹部の3領域である。
- b. 食道癌根治照射での処方線量は1 日1 回3Gy で20 回、合計60Gy である。
- c. 食道癌の根治照射では放射線治療と化学療法は同時併用では行わない。
- d. 食道癌根治化学放射線療法で使用される抗がん剤の1つとして、シスプラチンがある。
- e. 食道癌の内視鏡的切除で深達度がsm1 で取り切れており、断端が陰性であれば、追加の放射線治療は推奨されない。
答. a,d
頭頸部・胸部の治療
ユニット2 放射線腫瘍学各論
39. 乳癌の術後予防放射線治療について正しいのはどれか。2つ選べ。(2021-39)
- a. 右乳癌では左乳癌と比べて心臓の合併症が増える。
- b. 乳癌で乳房温存術後に全乳房照射を行うことで、局所制御率のみではなく、生存率も改善する。
- c. 手術部断端陰性であれば、腫瘍床にブースト照射を行っても局所再発率は変わらない。
- d. 手術で腋窩リンパ節転移が4個以上あった場合には鎖骨上リンパ節領域への予防照射が推奨される。
- e. 全乳房照射において、深呼吸息止めで放射線治療を行うことにより、心臓への放射線量を低減できる。
答. b,d
頭頸部・胸部の治療
- a. 左乳癌の方が多い
- c. 局所再発率を半減する
- e. 左乳房照射
ユニット2 放射線腫瘍学各論
40. 腹部の放射線治療について正しい記述を2つ選べ。(2021-40)
- a. 小腸が含まれるX線照射野において60Gy 30分割の治療は安全にできる。
- b. 肛門癌の根治的療法として放射線は選択肢として考慮すべきである。
- c. 放射線治療における腹部臓器の有害事象は急性期のみを考慮すれば良い。
- d. 消化器癌の出血が制御できない場合、放射線治療は選択肢として考慮すべきである。
- e. 部分的な脊髄の照射線量であれば50Gyを超えてもいい。
答. b,d
腹部骨盤部の治療
ユニット2 放射線腫瘍学各論
41. 子宮癌の放射線治療で正しいのはどれか。2つ選べ。(FIGO: International Federation of Gynecology and Obstetrics)(2021-41, 2022-42)
- a. 子宮体癌は子宮頸部癌と比較して放射線治療の適応範囲が広い。
- b. 子宮頸癌FIGO 分類ⅣA期の放射線治療による5年生存率は5%程度である。
- c. 腔内照射は線源を子宮の癌病巣に対して一時的に留置して行う治療方法である。
- d. 子宮頸癌FIGO 分類のⅡB期の治療成績は放射線治療と同等である。
- e. 全骨盤照射の晩期有害事象で最も線量制約の根拠として考慮すべき臓器は膀胱である。
答. c,d
腹部骨盤部の治療
- a. 頸癌の方が適応範囲が広い
- b. 20-30%程度
- e. 小腸
ユニット2 放射線腫瘍学各論
42. 75歳の男性。検診でPSA高値を指摘され来院。PSA:30.5 ng/mL(基準4.0以下)。前立腺生検にて腺癌を認めた。Gleason score:4+4=8。画像検査にて前立腺被膜外浸潤、精嚢浸潤、リンパ節転移、遠隔転移の所見なし。根治的な治療法として適切なのはどれか。3つ選べ。(2020-5, 2021-42)
- a. 男性ホルモン抑制療法
- b. 抗癌剤療法
- c. 手術 (前立腺全摘除術)
- d. 高線量率組織内照射
- e. 放射線治療 (X線による外照射)
答. c,d,e
腹部骨盤部の治療
- a. 男性ホルモン抑制療法は放射線との併用や高齢者で行う
ユニット2 放射線腫瘍学各論