腫瘍緩和学の2020年度の問題

2020年度の問題を全て解く

1. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-1)
  • a. 日本におけるがんの年齢調整死亡率は、男女とも近年低下している
  • b. がん全体の5年生存率は約50%である
  • c. 膵臓がんは、がん死の第2位に上昇している
  • d. 女性のがんの罹患率の第1位は大腸がんである
  • e. MEN1型はBRAF遺伝子異常による
答. a
がんの基礎知識
  • b. 2010-2011で66.4%
  • c. 男:4位、女:3位、全体:4位(2019)
  • d. 乳房が1位、死亡率1位は大腸がん
  • e. MEN1型はMEN遺伝子異常
がんの基礎知識

2. 間違っているものはどれか、1つ選べ。(2020-2)
  • a. 胃がんの原因はヘリコバクター・ピロリ感染である
  • b. がん検診の有効性の評価は早期発見率である
  • c. 日本では欧米に比べて感染症によるがんが多い
  • d. がん対策推進基本計画は厚生労働省と各都道府県でそれぞれ策定されている
  • e. 肥満は、がんのリスクをあげる
答. b
がんの基礎知識
  • b. 死亡率
がんの基礎知識

3. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-3, 2021-3)
  • a. 女性のがんの検診受診率は男性に比べて低い
  • b. 受動喫煙は発がんと関連がない
  • c. がん患者との良好なコミュニケーションには、医療者の感情表出は不要である
  • d. 現在がん患者の遺族の大多数は、がん患者が苦痛が少なく過ごしたと思っている
  • e. がん患者のうつ病率は、正常人と同等である
答. a
がんの基礎知識、がん患者とのコミュニケーション
  • b. 関連がある
  • c. 必要
  • d. 50%程度
  • e. がん患者の方がうつ病率が高い
がんの基礎知識

4. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-4)
  • a. 悪い情報は患者の希望を失わせるので、まず家族と相談する
  • b. 細胞診ClassⅡは、がんの疑いである
  • c. 透析患者はリスクが高いが、がん薬物療法の適応はある
  • d. Ⅳ期がんには手術適応がない
  • e. 殺細胞薬の投与量は体重から計算する
答. c
がんの基礎知識、がん患者とのコミュニケーション、がん薬物療法I
  • a. 本人に伝える前に家族との相談は不適切
  • b. 異型または異常細胞を認めるが悪性の疑いがないもの
  • c. 減量すれば適応はある
  • d. 必ずしも適応がないわけではない
  • e. 身長と体重から算出される体表面積から計算する
がんの基礎知識

5. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-5)
  • a. 骨転移の検出感度は、PET-CTより骨シンチが高い
  • b. がん患者の抑うつ状態の自己評価と医療者側の評価の一致率は高い
  • c. 腫瘍マーカーは検診に有用である
  • d. 悪い知らせを伝えるとき、患者家族の同席を勧める
  • e. がん患者とのコミュニケーションで、がん患者の感情表出は好ましくない
答. d
がんの基礎知識、胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法、がん患者とのコミュニケーション
  • a. PET-CTの方が有用
  • b. 高くない
  • c. 有用ではない
  • e. そんなことはない
がんの基礎知識

6. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-6)
  • a. シスプラチンは、肝代謝である
  • b. ビンカアルカロイドは、骨髄抑制を来さない
  • c. 5-FUは体細胞内で代謝され、核酸合成を阻害する
  • d. タキサン系抗がん薬は、S期に作用する
  • e. 塩酸イリノテカンの副作用は、ABC遺伝子多型で予想可能である
答. c
がん薬物療法I
  • a. 腎排泄型
  • b. 来す
  • d. M期
  • e. UGT1A1
がん薬物療法

7. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-7)
  • a. プラチナ系薬剤は肝機能異常時には減量が必要である
  • b. アントラサイクリン系薬剤の骨髄抑制以外の注意すべき副作用は心毒性である
  • c. 殺細胞薬は全て生理食塩水で溶解する
  • d. 固形腫瘍の殺細胞薬の感受性はSkipper仮説がよくあてはまる
  • e. アルキル化剤は、2次発がんの危険性が他の殺細胞薬に比べ低い
答. b
がん薬物療法I
  • a. 腎毒性なので関係がない
  • c. 例えばLeucovorinは経口薬なので全て生理食塩水で溶解するは不適切か
  • d. 血液腫瘍はSkipper、固形腫瘍はGompertzian
  • e. アルキル化剤、トポイソメラーゼII阻害薬が特に問題
がん薬物療法

8. 誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-8)
  • a. カルボプラチンは腎代謝である
  • b. シクロフォスファミドの特徴的な有害事象に出血性膀胱炎がある
  • c. ビンクリスチンの特徴的な有害事象として、下痢がある
  • d. 進行再発の固形腫瘍に対するがん薬物療法の目的は、延命と症状緩和である
  • e. 早期がんでは、患者の希望があっても術後化学療法は実施しない
答. c
がん薬物療法I
  • c. 骨髄抑制、末梢神経障害
がん薬物療法

9. 薬物相互作用について誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-9, 2021-9)
  • a. Warfarinは5-FUとの併用により効果が増強する
  • b. 5-FU系抗がん剤と抗ウイルス剤の併用で死亡者が続出し社会問題となった
  • c. MTXはロイコボリンと併用することにより副作用が増強する
  • d. 5-FUとロイコボリンを併用すると5-FUの作用が増強する
  • e. グレープフルーツジュースはゲフィチニブの作用を増強させる
答. c
がん薬物療法I
  • c. 副作用を抑える
がん薬物療法

10. 次の文章で正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-10)
  • a. EGFR遺伝子変異陽性肺がんは、肺腺がんに多い
  • b. ALK陽性肺がんは肺腺がんの半数を占める
  • c. EGFR遺伝子変異陰性肺がんには、EGFR-TKIが著効する
  • d. IV期肺がん患者の希望を失わせないようにするために、治癒不可能なことは伝えなかった
  • e. IV期肺がん患者でも、転移が少なかったら手術を行う
答. a
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法、がん患者とのコミュニケーション
  • b. 5%
  • c. EGFR遺伝子変異陽性肺癌に有効
  • d. 伝える
  • e. IV期肺癌は抗がん剤治療と緩和ケア
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法

11. 次の文章で誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-11)
  • a. PD-L1は主にがん細胞に発現してリンパ球の攻撃から逃避する
  • b. 抗PD-1抗体は、PD-L1発現が高い非小細胞肺がんに奏効する割合が高くなる
  • c. 再発進行でがん薬物療法を受けている患者の半数以上はがんが治ると思って治療している
  • d. 80歳の進行期肺がん患者に、がん薬物療法を実施した
  • e. 抗PD-1抗体は、全てのがんに奏功する
答. e
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
  • e. PD-L1陽性細胞50%以上の癌に奏功する
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法

12. 肺がんについて誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-12)
  • a. LD(限局型)の肺小細胞がんの標準治療は化学放射線療法である
  • b. Ⅰ期肺腺がんでEGFR遺伝子変異陽性だったので、一次治療としてEGFR-TKIを使用した
  • c. 肺がんの死亡率を下げるもっとも有効な手段は禁煙である
  • d. 肺がんは脳に転移しやすい
  • e. 術後病期Ⅱ期の非小細胞肺がんに、EGFR遺伝子変異陽性だったが、殺細胞薬で術後化学療法を行った
答. b
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
  • b. I期は手術が基本である
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法

13. 食道がんで誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-13)
  • a. 食道がんのリスクファクターは喫煙とアルコールである。
  • b. 粘膜下層までの浸潤だったのでESDを行った。
  • c. Ⅱ期食道がんの治療は手術療法あるいは放射線化学療法が標準治療である。
  • d. 食道がんの多くは扁平上皮がんである。
  • e. IV期食道がんに対する標準化学療法はシスプラチン+5-FUである。
答. b
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
  • b. 粘膜内で適応
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法

14. 次の文章で正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-14)
  • a. 外来が混んでいたので、初診時に自分の名前を名乗らず診療を開始した
  • b. 家族ががんという診断名を本人に伝えないようにと希望したので、本人にがんと伝えなかった
  • c. 患者の上司から本人に知られないように病状について知りたいと言われたので伝えた
  • d. 患者の希望を失わせないようにするために、治癒不可能なことは伝えなかった
  • e. 初診時に、家族と一緒に受診したので、本人および家族に病状および治療について説明した
答. e
がん患者とのコミュニケーション
  • a. 名乗る
  • b. どのように本人に伝えるか家族と考える。伝えないということはない。
  • c. 基本的に本人以外には伝えない。まして、本当に上司かもわからない人には伝えない。
  • d. 伝える。次回に悪い知らせを伝えることを告知し、家族の同席などを促す。
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング

15. 次の文章で正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-15)
  • a. 遺伝性腫瘍の患者および家族への遺伝カウンセリングは、必要がない
  • b. BRCA1遺伝子変異は膵がん発症のリスクをあげる
  • c. がん抑制遺伝子による発がんには1段階の変異が必要である
  • d. 家族性大腸腺腫症はp53遺伝子変異による
  • e. 多発内分泌腫瘍Ⅰ型では、甲状腺髄様がんを発症する
答. b
遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
  • a. 必要がある
  • b. 乳癌と卵巣癌の発症だが、前立腺癌・膵癌もみられる
  • c. 2段階の変異
  • d. APC遺伝子変異
  • e. II型で発症
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング

16. 次の文章で、誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-16)
  • a. アントラサイクリン投与により、骨髄抑制を来たす
  • b. シスプラチンの有害事象に腎障害がある
  • c. 経口内服薬によるがん薬物療法でも、有害事象は発現する
  • d. タキサン系薬剤は腎で代謝される
  • e. 殺細胞薬の多くは、脱毛を来す
答. d
がん薬物療法I
  • d. 肝代謝
がん薬物療法

17. 組み合わせで正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-17)
  • a. 遺伝性乳がん卵巣がん症候群 - Ras
  • b. 家族性大腸腺腫症 - MSH6
  • c. リンチ症候群 - CD4/6
  • d. 多発性内分泌腫瘍症II型 - 副甲状腺機能亢進症
  • e. 網膜芽細胞腫 - RB
答. e
遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
  • a. BRCA1/2
  • b. APC
  • c. MLH1、MSH2、MSH6、PMS2
  • d. 甲状腺髄様癌
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング

18. 遺伝性腫瘍の説明で誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-18, 2021-18)
  • a. 遺伝性乳がん卵巣がん症候群でのBRCA1/2遺伝子変異の浸透率はほぼ100%である
  • b. 家族性大腸腺腫症では、ポリポーシスを放置すると60 歳頃までにほぼ100%大腸がんを発症する
  • c. Lynch 症候群におけるマイクロサテライト不安定性検査には腫瘍組織が必要である
  • d. 多発性内分泌腫瘍症II型の原因遺伝子であるRET遺伝子には変異がよく認められるホットスポットがある
  • e. Li-Fraumeni症候群では、骨肉腫、乳がん、脳腫瘍等の発症リスクが高い
答. a
遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
  • a. BRCA1:78%、BRCA2:70%
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング

19. 遺伝性腫瘍の遺伝学的検査を行う際の注意点として誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-19)
  • a. 受診者には変異の解釈が難しい場合があることをあらかじめ説明しておく
  • b. 家系員のリスク評価には、家系内でがんを発症した人の遺伝子検査結果が必要である
  • c. 未発症の保因者の検査・説明は診療科スタッフのみで担当してよい
  • d. 血縁者への情報提供の方法について受診者と話し合っておく
  • e. 変異が陽性の場合の具体的な対策をたてて説明しておく
答. c
遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング

20. 誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-20)
  • a. ホルモンは内分泌臓器で合成・分泌される
  • b. 主な内分泌臓器には脳下垂体、甲状腺、副腎などがある
  • c. 手術は局所療法、放射線療法と薬物療法は全身療法である
  • d. 内分泌療法が適応となる癌には、乳癌や前立腺癌がある
  • e. 乳癌に対する最初の内分泌療法はBeatsonによる卵巣摘出術である
答. c
がん薬物療法IIIと乳がんに対するがん薬物療法
  • c. 放射線療法は局所療法に該当
がん薬物療法

21. 誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-21)
  • a. アロマターゼはテストステロンをエストラジオールに変換する
  • b. 肥満は、アロマターゼによるエストロゲン産生増加をもたらす
  • c. エストロゲンは細胞増殖に関わる遺伝子の転写を制御する
  • d. エストロゲンによるMAPKの活性化は、genomic actionによる
  • e. ホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌はLuminal Aとよばれる
答. d
がん薬物療法IIIと乳がんに対するがん薬物療法
  • d. non-genomic actionによる
がん薬物療法

22. 誤った記述はどれか、1つ選べ。(2020-22)
  • a. タモキシフェンは乳癌ホルモン療法の標準治療薬として用いられる
  • b. 閉経前乳癌ではタモキシフェンの術後5年間投与が標準治療である
  • c. フルベストラントは、閉経後進行再発乳癌の治療に用いられる
  • d. タモキシフェンは骨組織にアゴニストとして作用する
  • e. フルベストラントは子宮内膜にアゴニストとして作用する
答. e
がん薬物療法IIIと乳がんに対するがん薬物療法
  • e. アンタゴニストとして作用
がん薬物療法

23. LH-RHアナログについて誤った記述はどれか、1つ選べ。(2020-23)
  • a. 乳癌や前立腺癌治療で使用される
  • b. 視床下部より分泌されているLH-RHを高濃度に持続的に供給する
  • c. 下垂体細胞の受容体のdown regulationを引き起こす
  • d. FSH、LHの分泌を抑制する
  • e. 主に閉経後乳癌の治療に用いられる
答. e
がん薬物療法IIIと乳がんに対するがん薬物療法
  • e. 閉経前乳癌
がん薬物療法

24. 分子標的薬による有害事象について誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-24)
  • a. ゲフィチニブの投与により視覚障害を来すことがある
  • b. ボルテゾミブの投与による主な有害事象は末梢神経障害である
  • c. リツキシマブの投与でB型肝炎ウイルスの再活性化を来すことがある
  • d. 抗EGFR抗体の代表的な有害事象は皮膚障害である
  • e. 抗PD-1抗体では免疫関連有害事象(irAE)に注意が必要である
答. a
がん薬物療法II
  • a. ゲフィチニブは視覚障害を来さない。視覚障害を来す薬物にクリゾチニブがある。
がん薬物療法

25. 治療薬と適応疾患で、誤った組み合わせはどれか、1つ選べ。(2020-25)
  • a. エリブリン - 悪性軟部腫瘍
  • b. ストレプトゾシン - 神経内分泌腫瘍
  • c. スニチニブ - 腎細胞がん
  • d. ソラフェニブ - 消化管間質腫瘍(GIST)
  • e. レンバチニブ - 甲状腺がん
答. d
がん薬物療法II、希少がんとAYA世代
  • d. 甲状腺癌、腎細胞癌、肝細胞癌
がん薬物療法

26. 分子標的薬に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選べ。(2020-26)
  • a. 抗体薬は直接阻害(中和作用)の他に、抗体依存性細胞障害作用を有する
  • b. 抗体薬のうち、キメラ抗体は語尾が-zumabである
  • c. ニボルマブはがん細胞表面のPD-1に作用し、PD-1とPD-L1の結合を阻害する
  • d. ベバシズマブは血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)に対する抗体薬である
  • e. ペルツズマブは心機能障害に注意が必要である
答. a,e
がん薬物療法II
  • b. キメラ抗体は-ximab。ヒト化抗体が-zumab。
  • c. T細胞表面のPD-1
  • d. 抗VEGF抗体
がん薬物療法

27. 化学療法に伴う心・血管毒性に関する次の記述のうち、正しいものを3つ選べ。(2020-27)
  • a. 急性の心毒性は不整脈や心電図異常が多く、投与量との相関はなく、可逆的である
  • b. アントラサイクリンによる心機能障害は累積投与量と相関し、不可逆的である
  • c. トラスツズマブによる心機能障害は容量依存性があるが、多くは可逆的である
  • d. 静脈血栓塞栓症はがん患者全体の30-50%にみられる
  • e. 静脈血栓塞栓症の診断にD-ダイマーが有用である
答. a,b,e
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
  • c. 容量依存性はない
  • d. 4~20%
支持療法とオンコロジーエマージェンシー

28. オンコロジーエマージェンシーと検査の組み合わせのうち適切なものはどれか、3つ選べ。(2020-28, 2021-28)
  • a. 胃がんによる消化管穿孔 - 上部消化管内視鏡
  • b. 腫瘍崩壊症候群 - 血清尿酸
  • c. 上大静脈症候群 - 造影CT
  • d. 胆道閉塞 - 腹部超音波検査
  • e. 発熱性好中球減少症 - 骨髄穿刺
答. b,c,d
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
  • a. CT検査
  • e. 血液検査、血液培養、尿検査
支持療法とオンコロジーエマージェンシー

29. 腫瘍随伴症候群(PNS)について誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-29)
  • a. がん患者の5-10%に発生する
  • b. 血球異常の他に、静脈血栓塞栓症もみられる
  • c. 異所性ACTH症候群では筋力低下や高カリウム血症などを呈する
  • d. Lambert-Eaton筋無力症候群の原因疾患として多いのは小細胞肺がんである
  • e. Lambert-Eaton筋無力症候群の診断に抗VGCC抗体を測定する
答. c
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
  • c. 低カリウム血症
支持療法とオンコロジーエマージェンシー

30. 50歳のPS良好の多発肝転移を有する進行胃がん、通過障害なし、臓器機能障害なし、腹水なし、HER2 IHC(1+)の患者に対する一次治療はどれか、1つ選べ。(2020-30)
  • a. 塩酸イリノテカン
  • b. カペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブ
  • c. ドセタキセル(DTX)
  • d. FOLFOX+ベバシズマブ
  • e. S-1+シスプラチン
答. b
消化器がんに対するがん薬物療法
消化器がんに対するがん薬物療法

31. 上行結腸がん、RAS変異型、臨床病期IV期一次治療でFOLFOX+ベバシズマブを施行中に病勢進行した。PS良好、二次治療で行う治療はどれか、1つ選べ。(2020-31)
  • a. レゴラフェニブ
  • b. FOLFIRI+ベバシズマブ
  • c. FOLFIRI+セツキシマブ
  • d. パクリタキセル
  • e. S-1+シスプラチン
答. b
消化器がんに対するがん薬物療法
  • c. セツキシマブはRAS野生型に有効
消化器がんに対するがん薬物療法

32. 次の中で誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-32)
  • a. 膵がんの術後療法は、化学放射線療法が推奨される
  • b. 膵がんの術後補助化学療法において、ゲムシタビンは手術単独療法に比し生存期間を有意に延長する
  • c. 切除不能膵がんの化学療法として、ゲムシタビン+nab-パクリタキセル療法を行う
  • d. 切除不能胆道がんの化学療法として、ゲムシタビン+シスプラチン療法を行う
  • e. 膵がんの5年生存率は10%程度である
答. a
消化器がんに対するがん薬物療法
  • a. 化学療法が推奨。化学放射線療法は化学療法よりも有効性が高いと認められず、推奨されない。
消化器がんに対するがん薬物療法

33. 頭頚部がんについて誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-33)
  • a. 病理組織型では扁平上皮がんが最も多い
  • b. 原発部位では口腔が最も多い
  • c. ヒトパピローマウイルスは下咽頭がんの発症危険因子である
  • d. 甲状腺がんの病理組織型は乳頭がんが最多である
  • e. バンデタニブは甲状腺がんでは髄様がんにのみ適応を有する
答. c
希少がんとAYA世代
  • c. 中咽頭がん
希少がんとAYA世代

34. 骨軟部腫瘍の治療について誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-34)
  • a. 骨肉腫の好発部位は四肢長管骨である
  • b. Ewing肉腫は22番染色体のq12に存在するEWS遺伝子に切断点を持つ様々な相互転座を呈する
  • c. 進行性非円形肉腫の標準的一次化学療法はパクリタキセル単剤である
  • d. パゾパニブは、脂肪肉腫を除く転移または切除不能の軟部腫瘍に投与される
  • e. 粘液型・円形細胞型脂肪肉腫はトラベクテジンの効果が期待される
答. c
希少がんとAYA世代
  • c. ドキソルビシン
希少がんとAYA世代

35. 原発不明がんの治療で適切でないものはどれか、1つ選べ。(2020-35)
  • a. 全がんの1-5%程度を占め、近年減少傾向にある
  • b. 病理学的には約60%を低分化腺がんが占める
  • c. CK(サイトケラチン)7(-)、CK20(+)では大腸がんや胃がんが考慮される
  • d. 女性で腹膜転移のみ、漿液腺がんでCA125高値例は、減量手術+化学療法を行う
  • e. 特定の治療を有するサブグループ以外はプラチナ製剤を含む化学療法を行う
答. b
希少がんとAYA世代
  • b. 高・中分化腺がん
希少がんとAYA世代

36. 抗がん剤に関する事柄について正しいものはどれか、一つ選べ。(2020-36)
  • a. 「ゲムシタビン」は薬剤の力価低下を防ぐため、30分かけて投与する
  • b. 「ドキソルビシン」と「パクリタキセル」は副作用の増強を防ぐため、併用する場合はパクリタキセルの次にドキソルビシンを投与する
  • c. 「エトポシド」は結晶の析出を防ぐため、1mg/mL濃度以下になるように輸液に希釈して投与する
  • d. 「メルファラン」は安定性が低下するため、室温では少なくとも調製から10分以内に投与を終了する
  • e. 「オキサリプラチン」はクロールイオンを含有する輸液との配合により分解するため、生理食塩液で溶解することはできない
答. e
チーム医療と安全管理
  • a. 副作用を防ぐため
  • b. ドキソルビシンが先
  • c. 0.4mg/mL濃度以下になるように
  • d. 1.5時間以内に
チーム医療と安全管理

37. 血管外漏出の原因やリスクファクターについて誤っているものはどれか、一つ選べ。(2020-37)
  • a. 患者側の要因として、「肥満」がある
  • b. 患者側の要因として、「手術や病変による循環障害」がある
  • c. 医療者側の要因として、「8時間以内に穿刺した部位より遠位部(下流)への穿刺」がある
  • d. 医療者側の要因として、「輸液ポンプの使用」がある
  • e. 医療者側の要因として、「創傷瘢痕がある部位の血管への穿刺」がある
答. c
チーム医療と安全管理
  • c. 24時間以内
チーム医療と安全管理

38. 血管外漏出に関する記述のうち正しいものはどれか、一つ選べ。(2020-38)
  • a. 抗がん剤の濃度により、漏出時の皮膚障害の程度は変わらない
  • b. vesicant drugに分類される抗がん剤は、局所で発赤、腫脹などの炎症性変化を起こすが、一般的に潰瘍形成までに至ることはほとんどない
  • c. non-vesicant drugに分類される抗がん剤でも、漏出した場合、炎症や壊死を起こす
  • d. irritant drugに分類される抗がん剤は、少量の漏出でも紅斑、発赤、腫脹、水疱性皮膚壊死を起こしたり、難治性の潰瘍を形成する可能性がある
  • e. 抗がん剤は漏出時の皮膚障害の程度によって、3種類に分類される
答. e
チーム医療と安全管理
  • b. 潰瘍形成に至る
  • c. 生じにくい
  • d. 潰瘍形成に至らない
チーム医療と安全管理

39. がん薬物療法における職業性曝露に関する記述のうち誤っているものはどれか、一つ選べ。(2020-39, 2021-39)
  • a. 抗がん剤には人間への発がん性がある
  • b. Hazardous drug(HD)の曝露対策において、現段階で最も効果が低いとされる方法は、個人防御具による作業者の防護である
  • c. 個人防御具には、ガウン、手袋、眼・顔面防御具、呼吸器防御具が含まれる
  • d. 抗がん剤注射剤を投与する際には、ガウンを着用する必要はない
  • e. 抗がん剤を準備する時は、手袋をする必要がある
答. d
チーム医療と安全管理
  • d. 着用する必要がある
チーム医療と安全管理

40. 終末期がん患者に対する輸液療法の概念的枠組みとして誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-40, 2021-40)
  • a. 家族の価値観に照らして全般的な治療の目標を明確にする
  • b. 輸液による治療目標への影響を評価する
  • c. 倫理的・法的妥当性
  • d. 患者・家族と相談し、治療を実施する
  • e. 治療によって生じる効果を定期的に評価し修正する
答. c
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア

41. 死が差し迫った時期の患者に対するケアの留意点として含まれないものはどれか、1つ選べ。(2020-41, 2021-41)
  • a. 最期まで人格を持った1人の人として接する
  • b. 使用中の薬剤量の調整や薬剤の変更を検討する
  • c. 持続的鎮静を行っている患者への積極的な声かけをする
  • d. 鎮静中は疼痛を感じないので苦痛表情に対して、第一に鎮静剤の増量を検討する
  • e. 投薬やケアによってもたらされる苦痛が少ない方法を選択する
答. d
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア

42. 終末期せん妄に対するケアの留意点について含まれないものはどれか、1つ選べ。(2020-42, 2021-42)
  • a. せん妄の原因、経過、治療方法などを家族に適時・適切に説明する
  • b. 今後の病状変化を予測し、患者の意識が混濁するまでに家族が患者との別れができるように調整する
  • c. 家族の「安らかでいてほしい反面、眠ってほしくない」という、相反する気持ちに配慮する
  • d. せん妄による「おかしな言動」には、否定や修正をせずに付き合う
  • e. 終末期せん妄は回復困難であるため、患者の安全確保のため身体拘束を行う
答. e
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア

43. 悲嘆(Grief)について正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-43, 2021-43)
  • a. 喪失に対するさまざまな心理的・身体的症状を含む、情動的(感情的)反応
  • b. 所有していたものや、愛着を抱いていたものを奪われる、あるいは手放すこと
  • c. 死によって大切な人を亡くすという経験をした個人の客観的状況
  • d. 予期悲嘆を経験すれば、死別後の悲嘆が軽減される
  • e. 複雑性悲嘆は6カ月ほど経過すれば自然に消失する
答. a
緩和ケア各論:終末期ケア
  • b. 喪失のことである
  • c. 死別のことである
  • d. よく誤解されるがこれは間違いである
  • e. 複雑性悲嘆は6か月以上症状が継続しているという定義である
緩和ケア

44. 世界保健機構(WHO)による緩和ケアの定義を示す次の文章で正しい箇所はどこか。
「緩和ケアとは、(A)による問題に直面している(B)に対して、(C)から痛み、身体的問題、心理社会的問題、(D)を同定し適切に評価をおこない、苦痛を予防し緩和することにより、(E)を改善するための取り組みである。」(2020-44)
  • a. (A):がんなどの悪性疾患
  • b. (B):患者
  • c. (C):早期
  • d. (D):宗教的な問題
  • e. (E):予後
答. c
緩和ケア総論
  • a. 生命を脅かす病
  • b. 患者とその家族
  • d. スピリチュアルな問題
  • e. QOL
緩和ケア

45. アドバンス・ケア・プランニングについて正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-45, 2021-45, 2022-45)
  • a. 患者、家族、医療従事者の共同作業である
  • b. 決定した事前指示を見直す必要はない
  • c. 事前指示書を作ることが目的である
  • d. 終末期と判断した時点で一度だけ行う
  • e. 法的拘束力がある
答. a
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア

46. 専門的緩和ケアを提供する体制・施設として含まれないものはどれか、1つ選べ。(2020-46)
  • a. 地域包括支援センター
  • b. ホスピス・緩和ケア病棟
  • c. 緩和ケアチーム
  • d. 緩和ケア専門外来
  • e. 在宅療養支援診療所
答. a
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア

47. 進行期がん患者のがん悪液質の病態に関係する記述として正しいのはどれか、1つ選べ。(2020-47, 2021-47)
  • a. 必要カロリーを点滴で十分に補う必要がある
  • b. 運動療法はカロリーを消費するため無効である
  • c. サイトカインは関与しない
  • d. 基礎代謝率は維持、または亢進する
  • e. 筋組織より脂肪組織の減少を特徴とする
答. d
緩和ケア各論:症状マネジメント
  • a. なるべく経口・腸管接種を行う
  • b. 倦怠感を和らげる
  • c. 炎症性サイトカインにより惹起される全身性慢性炎症状態
  • e. 脂肪組織の減少の有無にかかわらず、筋組織の減少を特徴とする
緩和ケア

48. 進行期がん患者の呼吸困難について正しいのはどれか、1つ選べ。(2020-48)
  • a. 原発性肺がん患者以外で呼吸困難は起きない
  • b. 気温が低い方が症状は軽減できる
  • c. 酸素投与は症状緩和に無効である
  • d. 酸素飽和度が96%の患者では呼吸困難は起きない
  • e. 低酸素血症がある場合は速やかに気管挿管を考慮する
答. b
緩和ケア各論:症状マネジメント
  • a. 呼吸困難は主観的な症状で起こりえる
  • c. 低酸素血症の場合は有効
  • d. 呼吸不全は起きないが呼吸困難は起きる
  • e. 酸素吸入をする
緩和ケア

49. せん妄の診断について誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-49, 2021-49, 2022-49, 2023-49)
  • a. 痛みなどの症状はせん妄を改善してから治療する
  • b. 睡眠導入薬は直接因子となる
  • c. 意識の障害を伴う
  • d. 睡眠覚醒リズムの障害がある
  • e. うつ病との鑑別を要する。
答. a
緩和ケア各論:心理社会的ケア
  • a. せん妄の原因となっている痛みを取り除く
緩和ケア

50. がん末期患者に対する苦痛緩和するための鎮静(セデーション)について誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-50)
  • a. 鎮静の対象になりうる苦痛としてせん妄がある
  • b. 多職種やご本人、ご家族と相談して導入する
  • c. 鎮静がはじまるとご本人とのコミュニケーションは不可能になる
  • d. 患者本人に鎮静の希望を問うことがある
  • e. 苦痛が治療抵抗性かどうか判断できない時は期間を限定して行う
答. c
緩和ケア各論:心理社会的ケア
  • c. 患者と対話しながら行う調節型鎮静もある。持続的鎮静ではコミュニケーションが不可能となる。
緩和ケア