腫瘍緩和学の2022年度の問題
1. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2022-1)
- a. 日本におけるがんの年齢調整死亡率は、男女とも近年上昇している。
- b. がん全体の5年生存率は約50%である。
- c. がんは日本人の死因の第1位である。
- d. 女性のがんの罹患の第1位は胃がんである。
- e. 胃がんの罹患率は、上昇している。
答. c
がんの基礎知識
- a. 男女ともに低下している
- b. 2010-2011で66.4%
- d. 乳房である
- e. 減少している
がんの基礎知識
2. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2022-2)
- a. 前立腺癌の検診は推奨されない。
- b. アルコールは発癌と関連がない。
- c. 子宮頚がんの予防にHPVワクチンは無効である。
- d. がんの対策推進基本計画は国立がん研究センターが策定している。
- e. がんの一次予防で最も効果的なのは、運動である。
答.
がんの基礎知識
- a. 推奨される
- b. 関連がある
- c. 有効
- d. 厚生労働省と各都道府県でそれぞれ策定
- e. 喫煙や食事が最大効果
がんの基礎知識
3. 正しいものはどれか。1つ選べ。(2022-3)
- a. 日本のがん検診受診率は欧米と比べ高い。
- b. 受動喫煙は癌と関係がない。
- c. 膵臓がんのリスクファクターにヘリコバクターピロリがある。
- d. 女性のがん5年生存率は男性と比べ高い。
- e. がん患者のうつ病率は正常人と同等である。
答. d
がんの基礎知識
- a. 低い
- b. 関係がある
- c. 胃癌など
- e. がん患者の方がうつ病率が高い
がんの基礎知識
4. 正しいものはどれか。1つ選べ。(2022-4)
- a. 悪い情報は患者の希望を失わせるので、言わない。
- b. PS(performance status)4は全く問題なく活動でき、発症前と同じ日常生活が制限なく行えることである。
- c. 透析中の患者は殺細胞薬による有害事象の危険があるため、薬物療法の適応はない。
- d. TNM分類はⅠ期からⅣ期まである。
- e. 殺細胞薬の投与量は体表面積から計算する。
答. e
がんの基礎知識、がん患者とのコミュニケーション、がん薬物療法I
- a. 言わないことはない
- b. この説明はPS0
- c. 減量すれば適応はある
- d. T0~4、N0~3、M0,1
がんの基礎知識
7. 正しいものはどれか、1つ選べ。(2022-7)
- a. プラチナ系薬剤は肺機能異常時には減量が必要である。
- b. アントラサイクリン系薬剤の骨髄抑制以外の注意すべき副作用は下痢である。
- c. 殺細胞薬は全て生理食塩水で溶解する。
- d. 固形腫瘍の殺細胞薬の感受性はSkipper仮説がよくあてはまる。
- e. アルキル化剤は、2次発がんの危険性が他の殺細胞薬に比べ高い。
答. e
がん薬物療法I
- a. 腎毒性なので関係がない
- b. 骨髄抑制、末梢神経障害、心毒性
- d. 血液腫瘍はSkipper、固形腫瘍はGompertzian
がん薬物療法
8. (問題文不明)(2022-8)
- a. 塩酸イリノテカンは腎代謝である
- b. 再現なし
- c. アルキル化剤は、DNAのアデニンをアルキル化する
- d. 再現なし
- e. 再現なし
答.
がん薬物療法I
- a. 肝代謝
- c. グアニン
がん薬物療法
10. 正しいがん抑制遺伝子を3つ選べ。(2021-10, 2022-10)
- a. TP53遺伝子
- b. MYC遺伝子
- c. RAS遺伝子
- d. MLH1遺伝子
- e. RB遺伝子
答. a,d,e
遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
11. 66歳女性。悪性黒色腫に対してニボルマブが投与されている。本日悪心、嘔吐、腹痛、感冒様症状、意識障害で緊急受診した。体温:37.6°C、血圧:98/58mmHg、脈拍:108回/分、酸素飽和度:98%、血糖:710mg/dL、尿ケトン体(3+)であった。初期対応として正しいものはどれか。3つ選べ。(2021-11, 2022-11)
- a. 副腎皮質ステロイドの投与を開始する。
- b. 内服可能であれば経口糖尿病薬を開始する。
- c. 静脈路を確保し、生理食塩水による脱水の補正を開始する。
- d. 血糖を降下させるためインスリンの投与を開始する。
- e. 動脈血を採取し、血液ガス分析を行う。
答. c,d,e
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
12. 肺がんについて正しいのはどれか、1つ選べ。(2022-12)
- a. LD(限局型)の肺小細胞がんの治療は化学療法+分子標的薬が標準治療である。
- b. Ⅱ期肺腺がんで EGFR 遺伝子変異陽性だったので、一次治療として EGFR-TKI を使用した。
- c. 肺がんの死亡率を下げる最も有効な手段は検診である。
- d. Ⅲ期非小細胞肺がんの治療は、手術が原則である。
- e. ALK 陽性IV期非小細胞肺がんに対して、一次治療として殺細胞薬の化学療法を行った。
答. d
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
- a. 化学放射線療法
- b. II期は手術か放射線治療が原則である
- c. 喫煙
- d. IIIA期で手術、IIIB期で放射線化学療法
- e. ALK-TKIを投与
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
13. 食道がんについて正しいものを選びなさい。(2022-13)
- a. 肥満がリスクである。
- b. 扁平上皮癌が多い。
- c. 変異で最も多いのはKRAS変異である。
- d. 粘膜下浸潤癌の場合ESD治療を行う。
- e. Ⅳ型食道がんで切除可能であれば手術する。
答. b
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
- a. 喫煙や飲酒などが主なリスク
- d. 粘膜内まで
- e. 放射線化学療法、緩和医療
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
14. 癌患者とのコミュニケーションにおけるSHAREについて誤っているものを1つ選べ。(2022-14)
- a. 患者を落ち込ませないように話し合うときは患者と家族を分け、患者には厳しい話はしない。
- b. 落ち着いて話せるようプライバシーの保たれた部屋で行う
- c. わかりやすい言葉を用いて説明する
- d. 今後の治療方針だけでなく日常生活まで相談する
- e. オープンクエスチョンを用いる
答. a
がん患者とのコミュニケーション
- a. 患者に話す
- b. SHAREのS
- c. SHAREのH
- d. SHAREのA
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
15. 正しいものを1つ選べ。(2022-15)
- a. リンチ症候群は大腸癌の半数を占める
- b. BRCA1遺伝子変異は男性の発癌に関与しない
- c. がん抑制遺伝子による発がんには2段階の変異が必要である
- d. 家族性大腸腺腫症はRB遺伝子変異による
- e. 多発内分泌腫瘍Ⅱ型では、膵内分泌腫瘍を発症する
答. c
遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
- a. 0.7%-3.7%
- b. 前立腺癌や乳癌、膵癌に関与
- d. APC遺伝子変異
- e. I型
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
16. 肺癌に関与しないものを1つ選べ。(2022-16)
- a. EGFR
- b. ALK
- c. ROS1
- d. BRCA1
- e. BRAF
答. d
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
17. 併用すると、不可逆的な心筋障害(心不全)をきたすことがある分子標的薬を2つ選べ。(2022-17)
- a. ドキソルビシン(アントラサイクリン系)
- b. トラスツズマブ(抗HER2抗体)
- c. ニボルマブ(抗PD-1抗体)
- d. ベバシズマブ(抗VEGF抗体)
- e. レンバチニブ
答. a,b
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
18. 遺伝性腫瘍の説明で誤っているものはどれか、1つ選べ。(2022-18)
- a. 遺伝性乳がん卵巣がん症候群でのBRCA1/2遺伝子変異の浸透率はほぼ100%である
- b. 家族性大腸腺腫症では、ポリポーシスを放置すると60歳頃までにほぼ100%大腸がんを発症する
- c. Lynch 症候群におけるマイクロサテライト不安定性検査には腫瘍組織が必要である
- d. 多発性内分泌腫瘍症2型の原因遺伝子であるRET遺伝子には変異がよく認められるホットスポットがある
- e. Li-Fraumeni症候群では、骨肉腫、乳がん、脳腫瘍等の発症リスクが高い
答. a
遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
- a. 乳癌発症の浸透率は78%、卵巣癌は40%
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
19. 遺伝性腫瘍の遺伝学的検査を行う際の注意点として誤っているものはどれか、1つ選べ。(2022-19)
- a. 受診者には変異の解釈が難しい場合があることをあらかじめ説明しておく。
- b. 家系員のリスク評価には、家系内でがんを発症した人の遺伝子検査結果が必要である。
- c. 未発症の保因者の検査・説明は診療科医師のみで担当してよい。
- d. 血縁者への情報提供の方法について受診者と話し合っていく。
- e. 変異が陽性の場合の具体的な対策をたてて説明しておく。
答. c
遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
がんゲノム医療と遺伝性悪性腫瘍と遺伝カウンセリング
20. 誤っているものはどれか、1つ選べ。(2022-20)
- a. ホルモンは内分泌臓器で合成・分泌される。
- b. 乳癌の発生・増殖にはエストロゲン作用が重要である。
- c. 内分泌療法が適応となる癌には、乳癌や前立腺癌がある。
- d. 手術・放射線療法は局所療法、薬物療法・免疫療法は全身療法である。
- e. 乳癌に対する最初の内分泌療法は、1950年の副腎・下垂体摘出術である。
答. e
がん薬物療法IIIと乳がんに対するがん薬物療法
- e. 1896年の卵巣摘出術である
がん薬物療法
23. LH-RHアナログについて正しいものを1つ選べ。(2022-23)
- a. 乳がんや肺がん治療で使用される。
- b. LH-RHアナログにはタモキシフェンがある。
- c. 下垂体細胞の受容体のdown regulationを引き起こす。
- d. FSH、LHの分泌を促進する。
- e. 主に閉経後乳がんの治療に用いられる。
答. c
がん薬物療法IIIと乳がんに対するがん薬物療法
- a. 肺がんでは使用しない
- b. タモキシフェンはエストロゲン類似化学療法薬
- d. 抑制する
- e. 閉経前
がん薬物療法
24. HER2に関する記載で正しいものはどれか。2つ選べ。(2021-24, 2022-24)
- a. 乳がん患者の約90%にHER2過剰発現を認める。
- b. HER2はEGFRと同じHERファミリーの1つである。
- c. HER2陽性の転移・再発乳がんの一次治療でトラスツズマブとペルツズマブを併用する。
- d. トラスツズマブによるインフュージョンリアクション(注入反応)は投与回数が増えると発現頻度が高くなる。
- e. トラスツズマブの有効性・安全性が検証されているのは、本邦では乳がんのみである。
答. b,c
がん薬物療法II
- e. 胃癌にも適応
がん薬物療法
29. 腫瘍随伴症候群(PNS)について正しいのはどれか、1つ選べ。(2022-29)
- a. がん患者の30%に発生する
- b. 血球異常の他に、血小板減少もみられる
- c. 異所性ACTH症候群ではCushing症候群の症状を呈する
- d. Lambert-Eaton筋無力症候群は遠位筋の不随運動を特徴とする
- e. 腫瘍細胞から副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)分泌により、低カルシウム血症をきたす
答. b
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
- a. 5-10%
- c. Cushing症候群の症状はまれである
- d. 近位筋
- e. 高カルシウム血症
支持療法とオンコロジーエマージェンシー
30. 60歳のPS良好の多発肝転移を有する進行胃がん、食物通過障害なし、臓器機能障害なし、腹水なし、HER2(IHC3+)の患者に対する治療方針について誤っているのはどれか、1つ選べ。(2022-30)
- a. 原発、多発肝転移切除を行わない
- b. トラスツズマブ併用殺細胞薬による全身化学療法を行う
- c. 免疫チェックポイント阻害薬単剤の全身化学療法を行う
- d. 化学療法前に心エコーを行う
- e. (再現できませんでした)
答. c
消化器がんに対するがん薬物療法
- c. HER2陰性時に用いる
消化器がんに対するがん薬物療法
31. 進行上行結腸がん、RAS変異型、臨床病期IV期、PS良好。一次治療で行う治療はどれか。1つ選べ。(2022-31)
- a. ゲフィチニブ
- b. FOLFOX+ベバシズマブ
- c. FOLFIRI+抗EGFR抗体薬
- d. 抗EGFR抗体薬単剤
- e. S-1+シスプラチン
答. b
消化器がんに対するがん薬物療法
消化器がんに対するがん薬物療法
32. 正しいものを1つ選べ。(2022-32)
- a. 膵臓がんの発生にピロリ菌が関係している
- b. 膵臓がんの90%にBRAF変異がみられる
- c. 膵臓がんの術後S-1は手術単独よりも生存期間を有意に延長する
- d. 切除不能膵臓がんの一次治療としてニボルマブがある
- e. 切除不能胆道がんの1次治療として5-FU+シスプラチンがある
答. c
消化器がんに対するがん薬物療法
- a. 胃がん
- d. 一次療法は化学療法
- e. ゲムシタビン+シスプラチン
消化器がんに対するがん薬物療法
35. Child-Pugh分類Aの遠隔転移を伴う肝細胞がんの一次全身化学療法について正しいものはどれか、1つ選べ。(2021-35, 2022-35)
- a. 5-FU+シスプラチン
- b. アテゾリズマブ(免疫チェックポイント阻害剤)+ベバシズマブ
- c. ゲフィチニブ
- d. トラスツズマブ
- e. FOLFOX+ベバシズマブ
答. b
消化器がんに対するがん薬物療法
消化器がんに対するがん薬物療法
36. 64歳の女性。15年前に右乳がんで乳房全摘術を実施し、術後右腋窩と前胸部に放射線治療を受けた。前胸部皮膚転移、肺転移、脳転移を認め、1年前に抗がん剤治療は中止した。3日前から疼痛に対してオキシコドン徐放性製剤1日10mgの内服を開始した。昨日から悪心・嘔吐がある。以下のうち、悪心・嘔吐の原因として最も可能性が低いのはどれか、1つ選べ。(2021-36, 2022-36, 2023-36)
- a. 便秘
- b. オキシコドン
- c. 予期性悪心嘔吐
- d. 高カルシウム血症
- e. 脳転移による脳圧亢進
答. c
緩和ケア各論:症状マネジメント
- c. 以前抗がん剤で嘔吐した記憶から抗がん剤に対する嫌悪感により起こる症状
緩和ケア
37. 血管外漏出について、次のうち誤っているものはどれか。(2022-37, 2023-37)
- a. 炎症性薬剤に分類される抗がん剤は、局所で発赤、腫脹などの炎症性変化を起こすが、一般的に潰瘍形成までに至ることはほとんどない。
- b. 非壊死性薬剤に分類される抗がん剤は、漏出した場合、炎症や壊死を起こしにくい。
- c. 血管外漏出の医療者側のリスクファクターとして、「輸液ポンプの使用」がある。
- d. 血管外漏出の医療者側のリスクファクターとして、「8時間以内に穿刺した部位より遠位部(下流)への穿刺」がある。
- e. 血管外漏出の患者側のリスクファクターとして、「栄養状態不良」がある。
答. d
チーム医療と安全管理
- d. 24時間以内
チーム医療と安全管理
38. 大腸癌について正しい記述はどれか、1つ選べ。(2022-38)
- a. 男性のがん死亡数の第一位である
- b. 原因の一つとして、EGFR遺伝子変異がある
- c. 遠隔転移があっても、切除可能であれば、原発巣を含めて切除する
- d. がん薬物治療では、IV期であっても半数が治癒する
- e. ALK変異陽性大腸癌では、抗EGFR抗体薬を用いて治療する
答. c
消化器がんに対するがん薬物療法
- a. 3位
- b. RASやBRAFがある
- d. 5年生存率は18.7%
- e. シグナルが異なる
消化器がんに対するがん薬物療法
39. がん薬物療法における職業性曝露に関する記述のうち正しいものはどれか、1つ選べ。(2022-39)
- a. 抗がん剤には人間への発がん性がない。
- b. Hazardous drug(HD)の曝露対策において、現段階で最も効果が低いとされる方法は、個人防御具による作業者の防護である。
- c. 抗がん剤注射剤を投与する際には、ガウンを着用する必要はない。
- d. 抗がん剤を準備する時は、手袋をする必要がない。
- e. 抗がん剤を投与している患者の体液は抗がん剤に汚染されている。
答. b,e
チーム医療と安全管理
- a. 発がん性がある
- c. 着用する必要がある
- d. 手袋をする必要がある
チーム医療と安全管理
40. 66歳の女性。後頸部痛の増強と左上肢のしびれを主訴に来院した。
進行肺腺癌に対して外来で抗癌化学療法を施行している。以前から頸胸椎転移による後頸部痛があり、化学療法と併行してアセトアミノフェンとオキシコドンによる疼痛治療を受けていた。良好な疼痛緩和が得られていたが、2週間前に後頸部痛の増強と新たに左上肢のしびれが出現し、夜間の睡眠は痛みで中断するが、日中も眠っている。画像評価を行ったところ胸椎に新たな転移が出現している。
誤った対応はどれか(2022-40, 2023-40)
進行肺腺癌に対して外来で抗癌化学療法を施行している。以前から頸胸椎転移による後頸部痛があり、化学療法と併行してアセトアミノフェンとオキシコドンによる疼痛治療を受けていた。良好な疼痛緩和が得られていたが、2週間前に後頸部痛の増強と新たに左上肢のしびれが出現し、夜間の睡眠は痛みで中断するが、日中も眠っている。画像評価を行ったところ胸椎に新たな転移が出現している。
誤った対応はどれか(2022-40, 2023-40)
- a. 放射線治療科に緩和照射の相談をした
- b. 鎮痛補助薬を検討した
- c. 神経ブロックの適応がないかペインクリニックに相談した
- d. 疼痛緩和が得られるまで麻薬を増量した
- e. オピオイドスイッチングを検討した
答. d
緩和ケア:症状マネジメント
- d. むやみに増量はしない
緩和ケア
41. 死が差し迫った時期の患者に対するケアの留意点として含まれないものはどれか(2022-41, 2023-41)
- a. 最期まで人格を持った1人の人として接する
- b. 使用中の薬剤量の調整や薬剤の変更を検討する
- c. 患者の苦痛が最小限となるように、できるだけ何もせずに見守る
- d. 患者が自分の苦痛や状況を正確に伝えるのが困難な時は、表情や姿勢などから評価する
- e. 投薬やケアによってもたらされる苦痛が少ない方法を選択する
答. c
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア
42. がん患者の症状について正しいものを選べ。(2022-42)
- a. がん闘病中のがん患者の1/3の症例で痛みを経験している。
- b. がん患者のほとんどが治療経過中苦痛を感じずに過ごすことができている。
- c. がん患者の不安や抑うつは終末期に近づくほど減少する。
- d. がん患者が最も多く感じる症状は食欲低下である。
- e. 不眠が痛みを増長することはない。
答. c
緩和ケア各論:症状マネジメント
- a. 患者の70%ほどが痛みを感じている
- b. 50%ほどが苦痛を感じている
- d. 倦怠感
- e. 増長する
緩和ケア
43. 悲嘆(Grief)について正しいのはどれか(2022-43, 2023-43)
- a. 喪失に対する様々な心理的・身体的症状を含む、情動的感情で、誰でも経験しうるものではない
- b. 所有していたものや、愛着を抱いていたものを奪われる、あるいは手放すこと
- c. 患者の死によって悲嘆するのは患者の家族だけである
- d. 予期悲嘆を経験しても死別後の悲嘆は軽減される
- e. 複雑性悲嘆は6ヶ月ほど経過しても強く情動反応が継続している
答. e
緩和ケア各論:終末期ケア
- a. 誰でも経験しうる
- b. 喪失のことである
- c. 友人や知人もである
- d. 軽減されない
緩和ケア
44. 緩和ケアのチーム医療におけるメンバーの役割について誤っているのはどれか、1つ選べ。(2021-44, 2022-44, 2023-44)
- a. 医師は、他の職種からの情報も参考にして症状緩和を図る
- b. 看護師は、患者を全人的にとらえて療養生活を支える
- c. 薬剤師は患者には医薬品の説明、医師・看護師には適正使用のアドバイスをする
- d. 理学療法士は、ADLの改善が見込まれるときに介入する
- e. 医療ソーシャルワーカーは、社会的資源に関する情報を提供する
答. d
緩和ケア各論:心理社会的ケア
- d. ADLの改善と維持
緩和ケア
45. アドバンス・ケア・プランニングについて正しいものはどれか、1つ選べ。(2020-45, 2021-45, 2022-45)
- a. 患者、家族、医療従事者の共同作業である
- b. 決定した事前指示を見直す必要はない
- c. 事前指示書を作ることが目的である
- d. 終末期と判断した時点で一度だけ行う
- e. 法的拘束力がある
答. a
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア
46. 緩和ケアについて正しいものはどれか。1つ選べ。(2022-46)
- a. 終末期患者の多くはかかりつけの病棟で最後を迎えたいと思っている
- b. 終末期患者の約半数は緩和ケア病棟かホスピスで最期を迎えることができている
- c. 早期からの緩和ケアが生存期間を延長するという報告がある
- d. 緩和ケアは病気そのものにのみ介入する
- e. 緩和ケアは診断時期から介入する必要はない
答. c
緩和ケア各論:心理社会的ケア
- a. 緩和ケア病棟で最期を迎えたい
- b. 実際は8割が病院で死亡
- d. あらゆる苦痛などに関与
- e. 早期から介入
緩和ケア
47. 85歳の女性。肝門部胆管癌により残り数ヶ月の余命と告知されている。本人の希望により、在宅での診療を行なっている。ある日、在宅医が訪ねると、「病院に入院したい」と言っている。在宅医のとるべき対応として、適切でないものはどれか。1つ選べ。(2022-47)
- a. 入院という選択はありません
- b. 自宅にはいたくないのですね
- c. ご家族の気持ちも聞いてみませんか
- d. 訪問看護師とも相談してみましょう
- e. 何かお困りのことがあれば教えてください
答. a
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア
48. 医療用麻薬について正しいものはどれか、1つ選べ。(2021-48, 2022-48)
- a. 麻薬過量の身体所見のひとつとして瞳孔散大がみられる。
- b. 塩酸モルヒネは腎障害の患者では慎重に投与しなければならない。
- c. 麻薬の副作用として、下痢がある。
- d. 麻薬がせん妄の原因になることはない。
- e. フェンタニルは呼吸苦にも効果がある。
答. b
緩和ケア:症状マネジメント
- a. 過量=使用時縮瞳、離脱時縮瞳
- b. 腎不全時に蓄積するため
- c. 便秘
- d. ある
- e. 呼吸抑制がある
緩和ケア
49. せん妄の診断について誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-49, 2021-49, 2022-49, 2023-49)
- a. 痛みなどの症状はせん妄を改善してから治療する
- b. 睡眠導入薬は直接因子となる
- c. 意識の障害を伴う
- d. 睡眠覚醒リズムの障害がある
- e. うつ病との鑑別を要する。
答. a
緩和ケア各論:心理社会的ケア
- a. せん妄の原因となっている痛みを取り除く
緩和ケア
50. 肺がんについて正しいものはどれか、1つ選べ。(2022-50)
- a. 肺がんの脳転移は稀である。
- b. Ⅳ期肺がんは予後不良なので、がん薬物療法の適用はない。
- c. Ⅳ期非小細胞肺がんで切除可能なものは転移巣も含めて切除する。
- d. 非小細胞肺がんの遺伝子変異において最も頻度が高い遺伝子変異はEGFR遺伝子変異である。
- e. COPDの肺機能低下による切除不能なⅠ期非小細胞肺がんの治療では免疫チェックポイント薬が選ばれる。
答. d
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法
- a. 稀ではない
- b. 化学療法や分子標的薬を使う
- c. IV期に手術の適応はない
- e. I期で切除不能例は放射線療法
胸部悪性腫瘍と食道がんに対するがん薬物療法