腫瘍緩和学の2023年度の問題
1. 正しいものはどれか。(2023-1)
- a. 日本におけるがんの年齢調整罹患率は、男女とも近年上昇している
- b. がん全体の5年生存率は約50%である
- c. がんは、日本人の死因の第2位である
- d. 女性のがん死亡率の3位は膵がんである
- e. 胃がんの罹患率は、上昇している
答.
がんの基礎知識
2. 正しいものはどれか(2023-2)
- a. 日本のがん検診率は、欧米に比べて低い
- b. 喫煙は、がんのリスクをあげない
- c. 子宮頸がんの予防に、HPVワクチンは無効である
- d. 女性のがん検診受診率は男性よりも高い
- e. 日本におけるがんの原因として一番多いのは、遺伝である
答.
None
3. 正しいものはどれか(2023-3)
- a. 早期がんの5年生存率は100%である
- b. 受動喫煙は発がんにと関連がない
- c. 飲酒は、膵臓がんのリスクファクターである
- d. 乳がんの5年生存率は、50%である
- e. がん患者のうつ病率は、正常人と同等である
答.
None
4. 正しいものはどれか(2023-4)
- a. 腫瘍マーカーは検診に有用である
- b. PS(performance status)2とはまったく問題なく活動できる、発症前と同じ日常生活が制限なく行える
- c. 透析患者は殺細胞薬投与による有害事象のリスクが高いが、がん薬物療法は可能であることを指す
- d. IV期の固形腫瘍は全て手術の適応はない
- e. 殺細胞薬の投与は体重から計算する
答.
None
5. がん化学療法を行う根拠となる臨床試験について、誤っているのはどれか(2023-5)
- a. 第I相試験では、薬剤が安全に投与できる用量が確認され、この用量で次の相の臨床試験が行われる
- b. 第II相試験では、新治療が有効な治療かどうかが評価される
- c. 第III相試験では、新治療が従来の治療法と比べてよい治療かどうかが評価される
- d. 第III相試験では、優越性を検証する試験と非劣性を検証する試験がある
- e. 第III相試験では、奏効率(一定以上の腫瘍縮小が得られる割合)がもっとも重要な指標となる
答.
None
6. 正しいものはどれか(2023-6)
- a. シスプラチンは、腎代謝である
- b. ビンカアルカロイドは、脱毛を来さない
- c. アルキル化剤は、DNAのアデニンをアルキル化する
- d. タキサン系抗がん薬は、腎障害がしばしば問題となる
- e. 塩酸イリノテカンの骨髄抑制の副作用は、RAS遺伝子多型で予想可能である
答.
None
7. 正しいものはどれか(2023-7)
- a. 65才以上の高齢者には、殺細胞薬の減量が必要である
- b. アントラサイクリン系薬剤は、乳がんに適応がない
- c. 殺細胞薬は全て生理食塩水で溶解する
- d. 造血器腫瘍の殺細胞薬の感受性はSkipper仮説がよくあてはまる
- e. タキサン系薬剤の特徴的な有害事象は腎障害である
答.
None
8. 誤っているものはどれか(2023-8)
- a. 制吐剤は吐き気が出る前から予防的に使用することが原則である
- b. G-CSF(granulocyte colony stimulating factor)は好中球数を増加させる
- c. ビンクリスチンは、脱毛を来す
- d. 血小板数が5万/μL以下の場合、新鮮凍結血漿を輸血する
- e. 術後化学療法の目的は、再発予防である
答.
None
9. 誤っているものはどれか(2023-9)
- a. 5-FUとワルファリンを併用するとワルファリンの効果が増強する
- b. 5-FU系抗がん剤と抗ウイルス剤の併用で死亡者が続出し社会問題となった
- c. メソトレキセートはロイコボリンと併用することにより副作用が軽減する
- d. 5-FUとロイコボリンを併用すると5-FUの作用が増強する
- e. シクロホスファミドは、尿のpHを酸化させると出血性膀胱炎のリスクが軽減する
答.
None
10. 正しい癌遺伝子を3つ選べ(2023-10)
- a. MSH遺伝子
- b. MYC遺伝子
- c. RAS遺伝子
- d. EGFR遺伝子
- e. TP53遺伝子
答.
None
11. 肺がんについて正しいのはどれか(2023-11)
- a. LD(限局型)の肺小細胞がんの治療は化学療法+免疫チェックポイント阻害薬併用が標準である
- b. IV期肺腺がんでEGFR遺伝子変異陽性だったので、一次治療としてEGFR-TKIを使用した
- c. 肺がんの死亡率を下げるもっとも有効な手段は検診である
- d. IIIB期非小細胞肺がんの治療は、手術が原則である
- e. ALK陽性IV期非小細胞肺がんに対して、1次治療として殺細胞薬の化学療法を行った
答.
None
12. 66歳女性。悪性黒色腫に対してニボルマブが投与されている。本日悪心、嘔吐、腹痛、感冒様症状、意識障害で緊急受診した。体温:37.6℃、血圧:98/58mmHg、脈拍:108回/分、酸素飽和度:98%、血糖:710mg/dL、尿ケトン体(3+)であった。初期対応として正しいものはどれか。3つ選べ。(2023-12)
- a. ニボルマブによる免疫関連有害事象と判断し、副腎皮質ステロイド
- b. 内服可能であれば経口糖尿病薬を開始する
- c. 血糖を降下させるためインスリンの投与を開始する
- d. 静脈路を確保し、生理食塩水による脱水の補正を開始する
- e. 動脈血を採取し、血液ガス分析を行う
答.
None
13. 食道がんで正しいものはどれか。(2023-13)
- a. 食道がんは女性に多い
- b. 食道がんに免疫チェックポイント薬は適応がない
- c. IVa期食道がんの標準治療は、化学放射線療法である
- d. 粘膜下浸潤までだったのでESDを行った
- e. I期食道がんの標準治療は放射線照射単独療法である
答.
None
14. がん患者とのコミュニケーション"SHARE"について、誤っているものはどれか(2023-14)
- a. 悪い話の後に、その後の治療などの対処法について話す
- b. 落ち着いて話し合えるようにプライバシーの保たれた場所を選ぶ
- c. 悪い知らせのときは、まず家族に話す
- d. 患者の今後の治療方針だけでなく、日常生活への影響についても話し合う
- e. オープンクエスチョンを用いて、患者の気がかりが話し合えるように促す
答.
None
15. 肺がんの治療方針決定に、関係のない遺伝子異常または過剰発現はどれか、1つ選べ。(2023-15)
- a. EGFR
- b. ALK
- c. ROS1
- d. BRCA1
- e. BRAF
答.
None
17. 不可逆的心筋障害(心不全)の発症頻度が高くなり、併用注意とされている薬剤はどれか、2つ選べ。(2023-17)
- a. ドキソルビシン(アントラサイクリン)
- b. トラスツズマブ(抗HER2抗体)
- c. ニボルマブ(抗PD-1抗体)
- d. ベバシズマブ(抗VEGF抗体)
- e. レンバチニブ
答.
None
18. 遺伝性腫瘍の説明で誤っているものはどれか(2023-18)
- a. 遺伝性乳がん卵巣がん症候群において、BRCA1/2遺伝子変異は100%同定可能である
- b. 家族性大腸腺腫症では、ポリポーシスを放置すると60歳頃までにほぼ100%大腸がんを発症する
- c. Lynch症候群では、マイクロサテライト不安定性検査が陽性となる
- d. 多発性内分泌腺腫症2型の原因遺伝子であるRET遺伝子には変異が良く認められるホットスポットがある
- e. Li-Fraumeni症候群では、骨肉腫、乳がん、脳腫瘍等の発症リスクが高い
答.
None
20. 誤っているものはどれか(2023-20)
- a. ホルモンは内分泌臓器で合成・分泌される
- b. 乳がんは全例ホルモン受容体が陽性である
- c. 乳がんの発生・増殖にはエストロゲン作用が重要である
- d. 内分泌療法が適応となるがんには、乳がんや前立腺がんがある
- e. 乳がんの増殖能を評価するには、Ki-67を用いる
答.
None
21. 誤っているものはどれか(2023-21)
- a. アロマターゼはテストステロンをエストラジオールに変換する
- b. アロマターゼは主に脂肪組織に存在する
- c. エストロゲン受容体は細胞表面に存在する
- d. 肥満は閉経後乳がんのリスクを上昇させる
- e. ホルモン受容体陽性・HER2陰性乳がんはLuminal type乳がんとよばれる
答.
None
22. 誤った記述はどれか(2023-22)
- a. タモキシフェンは乳がんホルモン療法の標準治療薬として用いられる
- b. 閉経前乳がんではタモキシフェンの術後5年間投与が標準治療である
- c. フルベストラントは、閉経後進行再発乳がんの治療に用いられる
- d. タモキシフェンは骨組織にアゴニストとして作用する
- e. フルベストラントは子宮内膜にアゴニストとして作用する
答.
None
23. LH-RHアナログについて正しいのはどれか(2023-23)
- a. 乳がんや肺がん治療で使用される
- b. LH-RHアナログ製剤としてタモキシフェンがある
- c. 下垂体細胞の受容体のup regulationを引き起こす
- d. FSH、LHの分泌を促進する
- e. 主に閉経前乳がんの治療に用いられる
答.
None
24. HER2に関する記載で正しいものはどれか、2つ選べ。(2023-24)
- a. ペルツズマブは、HER2とHER3のヘテロダイマー形成を阻害する
- b. トラスツズマブは乳がん以外では、食道がんに使用される
- c. HER2陽性の転移・再発乳がんの一次治療でトラスツズマブとペルツズマブを併用する
- d. トラスツズマブによるインフュージョンリアクション(注入反応)は投与回数が増えると発現頻度が高くなる
- e. トラスツズマブを含む化学療法の有効性・安全性が検証されているのは、本邦では乳がんのみである
答.
None
24. 遠隔転移を伴う肝細胞癌の一次全身化学療法について正しいものはどれか(2023-24)
- a. 5-FU+シスプラチン
- b. Child-Pugh分類Aでアテゾリズマブ(免疫チェックポイント阻害剤)+ベバシズマブ
- c. Child-Pugh分類Cで分子標的薬単剤治療
- d. トラスツズマブ
- e. FOLFOX+ベバシズマブ
答.
None
25. 抗VEGF抗体ベバシズマブについて、誤っている記載はどれか(2023-25)
- a. 腫瘍細胞の増殖を直接阻害する
- b. 腫瘍内の浸透圧を正常化し、殺細胞薬の腫瘍内濃度を上昇させる
- c. 大腸がんにおいて、殺細胞薬と併用することにより、生存期間を延長させる
- d. 有害事象に、穿孔がある
- e. 有害事象に、出血がある
答.
None
26. 腫瘍随伴症候群(PNS)について正しいのはどれか(2023-26)
- a. がん患者の30%に発生する
- b. 脳炎は来さない
- c. 異所性ACTH症候群ではクッシング症候群の症状を呈する
- d. Lambert-Eaton筋無力症候群は遠位筋の不随運動を特徴とする
- e. 腫瘍細胞から副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)分泌により、低カルシウム血症来す
答.
None
27. 病理検査でKi-67指数が5%と低く、かつ核分裂像数:10/10HPF(高倍率視野)と少ない、高分化型膵神経内分泌腫瘍に対する薬物療法として、適切でないものはどれか。2つ選べ。(2021-26, 2023-27)
- a. レンバチニブ
- b. エトポシド+シスプラチン
- c. アフィニトール
- d. スニチニブ
- e. ストレプトゾシン
答. a,b
希少がんとAYA世代
希少がんとAYA世代
28. 59歳女性。甲状腺乳頭がん術後TSH抑制療法を行ってきたが、2年で多発肺転移・骨転移が出現した。肺転移は131Iの集積があり、放射性ヨウ素内用療法を開始したが、治療中に肺転移の増加・増大を認めた。この症例で考慮される治療はどれか。2つ選べ。(2021-27, 2023-28)
- a. 肺転移切除術
- b. 放射性ヨウ素内用療法継続
- c. ソラフェニブ内服
- d. レンバチニブ内服
- e. ベバシズマブ療法
答. c,d
希少がんとAYA世代
希少がんとAYA世代
29. 60歳のPS療法の多発肝転移を有する進行胃がん、食物通過障害なし、臓器機能障害なし、腹水なし、HER2 免疫組織染色(1+)の患者に対する治療方針について正しいものはどれか(2023-29)
- a. 原発巣と肝転移切除術をする
- b. トラスツズマブ併用殺細胞薬によ全身化学療法を行う
- c. 免疫チェックポイント阻害剤併用化学療法を行う
- d. トラスツズマブ単独療法を行う
- e. 化学療法の適応はなく、Best supportive careを行う
答.
None
30. オンコロジーエマージェンシーと検査の組み合わせのうち適切なものはどれか、3つ選べ(2023-30)
- a. 胃がんによる消化管 - 上部消化管内視鏡
- b. 胆道閉塞 - 腹部超音波検査
- c. 上大静脈症候群 - 造影CT
- d. 腫瘍崩壊症候群 - 高ナトリウム血症
- e. 発熱性好中球減少症 - 骨髄穿刺
答.
None
31. StageIVの進行上行結腸がん、RAS変異型、PS良好、臓器機能問題なし、一時治療で行うべき治療はどれか(2023-31)
- a. ゲフィチニブ
- b. FOLFOX+ベバシズマブ
- c. FOLFIRI+抗EGFR抗体
- d. 抗EGFR抗体単剤
- e. S-1+シスプラチン
答.
None
32. 次の中で正しいものはどれか(2023-32)
- a. 膵がんは、がん死の第5位である
- b. 膵がんの90%以上にKRAS遺伝子変異を認める
- c. 膵がんの術後補助化学療法において、抗VEGF抗体は手術単独療法に比し生存期間を有意に延長する
- d. 切除不能膵がんの1次化学療法として、ニボルマブ療法を行う
- e. 切除不能胆道がんの1次化学療法として、5-FU+シスプラチン療法を行う
答.
None
33. 胃がんについて誤っているものはどれか(2023-33)
- a. 胃がんの主な原因は、ヘリコバクターピロリ感染である
- b. 胃がんの罹患率は低下している
- c. 胃がんの20%にHER2の過剰発現を認める
- d. IV期胃がんに対する治療は、放射線治療が主体である
- e. 免疫チェックポイント阻害薬は、一部の胃がんに奏功する
答.
None
35. 48歳男性。多発性肺内結節、骨腫瘤を認め、他院で原発不明がんと診断され当科紹介受診。再生検施行し血管肉腫と診断された。骨腫瘤に痛みはない。臓器機能は保たれており、PS(ECOG)は1であった。正しいものはどれか、1つ選べ。(2021-34, 2023-35)
- a. 根治的切除(広汎切除+肺転移切除)を行う。
- b. VAC(ビンクリスチン+アクチノマイシンD+シクロホスファミド)療法を行う。
- c. 一次治療としてPTX(パクリタキセル)を投与する。
- d. 免疫チェックポイント薬を投与する。
- e. 肺と骨に照射を行う。
答. c
希少がんとAYA世代
希少がんとAYA世代
36. 64歳の女性。15年前に右乳がんで乳房全摘術を実施し、術後右腋窩と前胸部に放射線治療を受けた。前胸部皮膚転移、肺転移、脳転移を認め、1年前に抗がん剤治療は中止した。3日前から疼痛に対してオキシコドン徐放性製剤1日10mgの内服を開始した。昨日から悪心・嘔吐がある。以下のうち、悪心・嘔吐の原因として最も可能性が低いのはどれか、1つ選べ。(2021-36, 2022-36, 2023-36)
- a. 便秘
- b. オキシコドン
- c. 予期性悪心嘔吐
- d. 高カルシウム血症
- e. 脳転移による脳圧亢進
答. c
緩和ケア各論:症状マネジメント
- c. 以前抗がん剤で嘔吐した記憶から抗がん剤に対する嫌悪感により起こる症状
緩和ケア
37. 血管外漏出について、次のうち誤っているものはどれか。(2022-37, 2023-37)
- a. 炎症性薬剤に分類される抗がん剤は、局所で発赤、腫脹などの炎症性変化を起こすが、一般的に潰瘍形成までに至ることはほとんどない。
- b. 非壊死性薬剤に分類される抗がん剤は、漏出した場合、炎症や壊死を起こしにくい。
- c. 血管外漏出の医療者側のリスクファクターとして、「輸液ポンプの使用」がある。
- d. 血管外漏出の医療者側のリスクファクターとして、「8時間以内に穿刺した部位より遠位部(下流)への穿刺」がある。
- e. 血管外漏出の患者側のリスクファクターとして、「栄養状態不良」がある。
答. d
チーム医療と安全管理
- d. 24時間以内
チーム医療と安全管理
38. 大腸がんについて正しい記述はどれか(2023-38)
- a. 男性のがん死の第一位である
- b. 大腸がんの原因として、EGFR遺伝子変異がある
- c. 遠隔転移があっても、切除可能であれば、原発巣も含めて切除する
- d. がん薬物療法により、IV期でも半数が治癒可能である
- e. Ras変異陽性大腸がんには、抗EGFR抗体が奏功する
答.
None
39. がん薬物療法における職業性暴露に関する記述のうち(2023-39)
- a. 抗がん剤には人間への発がん性がない
- b. Hazardous drug(HD)の曝露対策において、現段階で最も効果が低いとされる方法は、個人防御具による作業者の防護である
- c. 個人防御具には、手袋は含まれない
- d. 抗がん剤注射剤を投与する際には、ガウンを着用する必要はない
- e. 抗がん剤を投与された患者の体液は抗がん剤に汚染されている
答.
None
40. 66歳の女性。後頸部痛の増強と左上肢のしびれを主訴に来院した。
進行肺腺癌に対して外来で抗癌化学療法を施行している。以前から頸胸椎転移による後頸部痛があり、化学療法と併行してアセトアミノフェンとオキシコドンによる疼痛治療を受けていた。良好な疼痛緩和が得られていたが、2週間前に後頸部痛の増強と新たに左上肢のしびれが出現し、夜間の睡眠は痛みで中断するが、日中も眠っている。画像評価を行ったところ胸椎に新たな転移が出現している。
誤った対応はどれか(2022-40, 2023-40)
進行肺腺癌に対して外来で抗癌化学療法を施行している。以前から頸胸椎転移による後頸部痛があり、化学療法と併行してアセトアミノフェンとオキシコドンによる疼痛治療を受けていた。良好な疼痛緩和が得られていたが、2週間前に後頸部痛の増強と新たに左上肢のしびれが出現し、夜間の睡眠は痛みで中断するが、日中も眠っている。画像評価を行ったところ胸椎に新たな転移が出現している。
誤った対応はどれか(2022-40, 2023-40)
- a. 放射線治療科に緩和照射の相談をした
- b. 鎮痛補助薬を検討した
- c. 神経ブロックの適応がないかペインクリニックに相談した
- d. 疼痛緩和が得られるまで麻薬を増量した
- e. オピオイドスイッチングを検討した
答. d
緩和ケア:症状マネジメント
- d. むやみに増量はしない
緩和ケア
41. 死が差し迫った時期の患者に対するケアの留意点として含まれないものはどれか(2022-41, 2023-41)
- a. 最期まで人格を持った1人の人として接する
- b. 使用中の薬剤量の調整や薬剤の変更を検討する
- c. 患者の苦痛が最小限となるように、できるだけ何もせずに見守る
- d. 患者が自分の苦痛や状況を正確に伝えるのが困難な時は、表情や姿勢などから評価する
- e. 投薬やケアによってもたらされる苦痛が少ない方法を選択する
答. c
緩和ケア各論:心理社会的ケア
緩和ケア
42. がん患者の症状について正しいものはどれか(2023-42)
- a. がん患者のがん闘病中の1/5の症例が痛みを経験している
- b. がん患者のほとんどが治療経過中苦痛を感じず過ごすことができている
- c. がん患者の不安や抑うつは健常人に比べて高い有症状率である
- d. がん患者が最も多く感じる症状は食欲低下である
- e. 不眠が痛みを増長することはない
答.
None
43. 悲嘆(Grief)について正しいのはどれか(2022-43, 2023-43)
- a. 喪失に対する様々な心理的・身体的症状を含む、情動的感情で、誰でも経験しうるものではない
- b. 所有していたものや、愛着を抱いていたものを奪われる、あるいは手放すこと
- c. 患者の死によって悲嘆するのは患者の家族だけである
- d. 予期悲嘆を経験しても死別後の悲嘆は軽減される
- e. 複雑性悲嘆は6ヶ月ほど経過しても強く情動反応が継続している
答. e
緩和ケア各論:終末期ケア
- a. 誰でも経験しうる
- b. 喪失のことである
- c. 友人や知人もである
- d. 軽減されない
緩和ケア
44. 緩和ケアのチーム医療におけるメンバーの役割について誤っているのはどれか、1つ選べ。(2021-44, 2022-44, 2023-44)
- a. 医師は、他の職種からの情報も参考にして症状緩和を図る
- b. 看護師は、患者を全人的にとらえて療養生活を支える
- c. 薬剤師は患者には医薬品の説明、医師・看護師には適正使用のアドバイスをする
- d. 理学療法士は、ADLの改善が見込まれるときに介入する
- e. 医療ソーシャルワーカーは、社会的資源に関する情報を提供する
答. d
緩和ケア各論:心理社会的ケア
- d. ADLの改善と維持
緩和ケア
45. アドバンス・ケア・プランニングについて正しいものはどれか(2023-45)
- a. 患者と医師だけできめる
- b. 繰り返し行い、必要に応じて変更する
- c. 事前指示書を作ることが目的である
- d. 終末期と判断した時点で一度だけ行う
- e. 法的拘束力がある
答.
None
46. 高催吐性薬剤はどれか、2つ選べ(2023-46)
- a. シスプラチン
- b. パクリタキセル
- c. ドキソルビシン
- d. ゲムシタビン
- e. 5フルオロウラシル
答.
None
47. 85歳の女性。肝門部胆管癌で数か月の余命と告知されている。本人の希望で在宅医療を行っており、痛みに対するコントロールは十分に行われている。ある日、訪問した在宅医に「家族に迷惑がかかるから入院したい」と本人が告げた。在宅医の対応として適切でないのはどれか(2023-47)
- a. 入院したい理由を教えてください
- b. 在宅医療を受けるといっていたので、契約違反になります
- c. 自宅にはいたくないのですね
- d. ご家族の思いも聞いてみませんか
- e. 訪問看護師も一緒に話し合いましょう
答. b
None
48. 医療用麻薬について正しいものはどれか(2023-48)
- a. 麻薬過量の身体所見のひとつとして瞳孔散大がみられる
- b. 塩酸モルヒネは腎障害時にも、安全に使える
- c. 麻薬の副作用として、下痢がある
- d. 麻薬がせん妄の原因になることはない
- e. 塩酸モルヒネは呼吸苦にも効果がある
答.
None
49. せん妄の診断について誤っているものはどれか、1つ選べ。(2020-49, 2021-49, 2022-49, 2023-49)
- a. 痛みなどの症状はせん妄を改善してから治療する
- b. 睡眠導入薬は直接因子となる
- c. 意識の障害を伴う
- d. 睡眠覚醒リズムの障害がある
- e. うつ病との鑑別を要する。
答. a
緩和ケア各論:心理社会的ケア
- a. せん妄の原因となっている痛みを取り除く
緩和ケア
50. 肺がんについて正しいものはどれか(2023-50)
- a. 肺がんの骨転移は稀である
- b. 肺がんの多発脳転移に対する治療法は、放射線照射が第一選択となる
- c. IV期非小細胞肺がんでは、切除可能なら、転移巣も含めて切除する
- d. 非小細胞肺がんではドライバー遺伝子変異陽性でも、免疫チェックポイント薬単独が第一選択となる
- e. COPDによる肺機能低下で切除不能なI期非小細胞肺がんの治療法には、免疫チェックポイント薬が選ばれる
答.
None